「直葬ってどんな流れや手順で進むの?」
「火葬式はどれくらいの時間が必要?」
「直葬の全体像を知りたい。」
火葬のみで簡単に済ませることのできる直葬は、シンプルな葬儀を望まれる故人や遺族から人気です。
しかし直葬の流れを把握せずにいきなり申し込むのはおすすめできません。
そこで今回は、直葬の流れや手順などを分かりやすく解説していきます。
この記事を読むことで直葬の全体像を把握できるようにしているので、ぜひ最後までご覧ください。
直葬(火葬式)とはどんな葬儀?
直葬(火葬式)とは、お通夜や告別式をとり行わず、火葬のみを行う葬儀の形態です。
そのため、火葬式と呼ばれることもあります。
直葬(火葬式)は、従来の大規模な葬儀にこだわらない方に多く選ばれています。
シンプルな葬儀を希望し、生前からご自身のために直葬を選んでおかれる方も増えているようです。
また葬儀費用が抑えられることから、葬儀の際の経済的負担を減らしたいご遺族が選ばれるケースも多く見受けられます。
直葬(火葬式)の流れや手順、日程
ここでは、直葬(火葬式)の流れや手順、日程についてくわしく見ていきたいと思います。
①ご臨終
病院で亡くなられた場合は、主に看護師によってエンゼルケアが行われます。
エンゼルケアとは、ご遺体から医療器具を外し清潔な状態に整える死後の処置です。
処置後、医師から発行される死亡診断書を受け取り、ご遺体の搬送となります。
すでに葬儀社が決まっている場合は、葬儀社に連絡をしましょう。
葬儀社が未定の場合は、病院から紹介してもらうことも可能です。
また、病院から紹介してもらった葬儀社に搬送のみを依頼することもできます。
ご自宅以外の場所で亡くなられた場合・かかりつけ医がいない方がご自宅で亡くなられた場合には、警察への連絡が必要です。
このケースでは、警察で事件性の有無の確認が行われた後、ご遺体の搬送となります。
警察では、死亡診断書の代わりに死体検案書が発行されます。
②ご遺体の安置
ご遺体の火葬は、24時間を経過した後に行われます。
これは法律で定められています。
そのため火葬までのあいだ、ご遺体を安置しておく場所を決めなければなりません。
ご自宅にスペースがあれば、ご自宅での安置も可能です。
ご自宅に十分なスペースがない場合には、葬儀社や斎場の安置施設への搬送となります。
③葬儀社との打ち合わせ
無事ご遺体を安置した後、葬儀社と葬儀ついての打ち合わせを行います。
菩提寺がある場合は、まず菩提寺に連絡をしましょう。
さらに火葬場の状況を確認し、ご親族の都合もうかがった上で葬儀の日程を決めます。
不明な点は遠慮なく葬儀社スタッフに尋ね、葬儀費用の見積もりはしっかりと確認をしましょう。
葬儀の日程が決まったら、あらためて参列していただくご親族へ連絡を差し上げます。
医師が書いた死亡診断書(もしくは警察が発行した死体検案書)を葬儀社スタッフに預け、火葬許可証の申請などの手続きを進めてもらいます。
④納棺・出棺
ご遺体を棺に納めます(納棺)。
納棺の儀は主に葬儀社スタッフがとり行いますが、ご遺族がお手伝いすることも可能です。
故人のご遺体に触れる最後の時間となりますので、大切に過ごしましょう。
故人に白い着物を着せて納棺するのが一般的ですが、お好きだった着物や洋服を着せて差し上げるのもよいでしょう。
お花のほか、故人の愛用品などを一緒に棺に納めることもできます。
納棺終了後、火葬場へ向けて出棺となります。
⑤お別れの儀式
火葬場の炉の前で、最後のお別れの儀式を行います。
僧侶が火葬場へ同行している場合には読経をしていただき、もう一度全員がお焼香をします。
火葬炉に入る棺を参列者全員で合掌して見送り、火葬が始まります。
火葬場では火葬許可書の提出が求められますので、忘れずに持参しましょう。
⑥火葬
火葬には、1~1時間半ほどがかかります。
ご親族は控え室で時間を過ごします。
⑦骨上げ
火葬終了後、遺骨を骨壺に納める「骨上げ」となります。
火葬場の係員の指示に従い、喪主から順に二人一組でお骨を箸で納めていきます。
足から順に、最後に喉仏を骨壺に納め、骨上げが終了します。
火葬後は、納骨に必要な埋葬許可証を受け取りましょう。
直葬(火葬式)が行われる時間帯や所要時間
直葬(火葬式)は、基本的に火葬場が開いている時間に行われます。
火葬場は多くの場合、9時ごろから17時ごろまで開いています。
またご遺体の安置場所で納棺を行い出棺するまでにかかる時間は、約1時間ほどです。
そのため、火葬場の予約時間に合わせて納棺と出棺を行うのが一般的です。
納棺から火葬後の収骨までにかかる時間は、移動を含め、4時間前後とお考えになるとよいでしょう。
直葬(火葬式)後の納骨・供養の方法
直葬(火葬式)を終えた後、納骨や供養の方法にはどのようなものがあるのでしょう。
前もって準備しておかなければならないこともあるのでしょうか。
ここでは直葬後の納骨・供養の方法をいくつか挙げて、考えてみたいと思います。
菩提寺に納骨
菩提寺にお墓があれば、そちらへ納骨するのが一般的です。
しかし菩提寺のお墓に納骨したい場合は、菩提寺から僧侶を招いて葬儀をとり行ってもらうケースがほとんどです。
菩提寺に事前の相談なく、宗教的な儀式を一切とり行わない直葬を選んだ場合、菩提寺から納骨を断られる可能性もあります。
戒名のない遺骨をお墓に納骨することはできないため、その点にも配慮が必要です。
菩提寺のお墓への納骨をお考えの場合は、必ず事前に連絡・相談をし、直葬についての理解を得ておく必要があります。
菩提寺の僧侶に炉前のお別れの儀式での読経をお願いする・戒名をつけていただけるようお願いするなど、事前に準備をしておけば、菩提寺のお墓への納骨がスムーズに進むでしょう。
納骨堂に納骨
寺院や墓地・霊園には、納骨堂が併設されているケースもあります。
ただしこの場合も、戒名の有無が問題になります。
無宗教の納骨堂ならば、戒名は必要ありません。
しかし寺院の納骨堂の場合は、戒名がなければ受け入れてもらえないと考えてよいでしょう。
寺院、とりわけ菩提寺の納骨堂への納骨をお考えの場合は、必ず事前に相談なさることをおすすめします。
手元供養
最近は、遺骨を納骨せず自宅で供養なさる方も増えています。
これを手元供養と言います。
インテリアとしても美しい、コンパクトな仏壇も販売されています。
遺骨を自宅で供養しつつ公営の墓地や納骨堂の空きを待つ方、一定期間ご自宅で供養をした後、散骨をお考えになる方もいらっしゃいます。
散骨
近年、よく耳にするのが散骨です。
散骨とは、ご遺骨を粉状にして海や思い出の場所などに撒くことを言います。
ご遺骨を海に撒く海洋散骨のほか、樹木の下に埋める樹木葬、カプセルに入れてロケットで宇宙へと打ち上げる宇宙葬なども見られます。
いずれの場合も、ご遺骨を粉砕して粉状にしなければならず、特殊な技術が必要です。
散骨をプランとして請け負っている葬儀会社もありますので、散骨をお考えの際は専門の業者にご相談なさることをおすすめします。
直葬(火葬式)の流れまとめ
直葬(火葬式)はシンプルな葬儀形態ですが、大切なのは故人を悼むお気もちです。
そのときになって慌てることのないよう、直葬の流れをしっかりと理解しておかれるとよいでしょう。
また、葬儀後の供養のことにも配慮が必要です。
葬儀社や菩提寺に事前に相談をしておくなど、必要な準備を進めておきましょう。