【家族葬の香典返し】相場や送る時期、挨拶状の書き方などを解説!

「家族葬でも香典返しってしたほうがいいのかな?」

「香典返しって、いつ送るものなの?」

「香典返しに添える挨拶状って、なんて書けばいいのかな?」

初めて家族葬を行う場合、香典返しは必要なのか、送る場合はどんな品物がいいかなど迷うと思います。

ですがご安心ください。

今回は、家族葬における香典返しのマナーや注意点を分かりやすく解説します。

あ

香典返しの相場や送る時期、そのまま使える挨拶状の文例も紹介するので、ぜひ最後まで読んでお悩みを解消していただけたらと思います。

家族葬では香典返しは不要?省略してもいい?

家族葬では香典返しは不要?省略してもいい?

家族葬はごく近しい人たちのみでとり行われる小規模な葬儀です。

はっきりとした決まりごとが少なく、故人の遺志やご遺族の意向で自由にとり行える点が魅力と言えるでしょう。

しかし、なかには基本のマナーを守った方がよいと思われることもあります。

そのひとつがお香典返しです。

お香典返しは「お香典をいただいたおかげで、よいお見送りができました」という感謝の気もちを表すものです。

よい葬儀の締めくくりとも言えるお香典返しの習慣ですので、家族葬であっても省略せず、きちんとお返しをなさることをおすすめします。

家族葬における香典返しの相場や品物

家族葬における香典返しの相場や品物

あ

ここでは家族葬におけるお香典返しの金額相場、またお香典返しにふさわしい品ものについて見ていきたいと思います。

金額相場

お香典返しの相場は、はっきりと決まっているものではありません。

しかし、一般的にはいただいたお香典の半分〜三分の一程度の価格の品ものをお返しすることが多いようです。

品物

ではお香典返しにふさわしい品ものとは、どのようなものなのでしょうか。

お香典返しでは「ご不幸をあとに残さない」という意味で、消費してなくなる「消えもの」が多く選ばれています。

お菓子やお茶、海苔・調味料などの比較的日持ちのする食品が例として挙げられます。

食品の中でもお祝いごとに用いられることが多いお酒や昆布・かつお節などは、お香典返しとしてはあまりおすすめできません。

またタオルは「ご不幸を拭き取るもの」、洗剤は「悲しみを洗い流すもの」として、お香典返しに選ばれることが多い消耗品です。

あ

最近では、先方に品ものを選んでいただくことができるカタログギフトが利用されるケースも多くなっています。

家族葬で香典返しする時期はいつ?

家族葬で香典返しする時期はいつ?

お香典返しには、弔辞を無事に終えましたというご報告の意味もあります。

そのため四十九日法要後の「忌明け」にお送りするのが一般的です。

本来は持参して手渡すのがマナーとされていましたが、最近はご挨拶状を添えて郵送される場合がほとんどです。

あ

お香典返しをお送りする場合は、四十九日の法要後二週間以内を目安に先方に届くよう心がけましょう。

家族葬で香典返しをするマナーや注意点

家族葬で香典返しをするマナーや注意点

あ

次に家族葬でお香典返しをする際のマナーや注意点について、具体的に見ていきます。

香典返しには、掛け紙(のし紙)をつけて渡す

お香典返しの品ものには「掛け紙」と呼ばれる紙をかけてお渡しします。

のし紙は本来おめでたい贈りものに使われるものですので、弔事の場合には水引のみが印刷された掛け紙を用います。

お香典返しの水引は「結び切り」が一般的です。

結び切りの水引は端を引いてもほどけないことから「二度と繰り返さない」という意味をもちます。

よく見かけるのは「黒白結び切り」ですが、関西や北陸地方では「黄白結び切り」が使われる場合もあります。

また蓮の花が描かれた掛け紙は仏式のものですので、ほかの宗教では使わないよう気をつけましょう。

 

表書きは「志」がもっとも一般的です。

仏式では、忌明けを意味する「忌明志」「満中陰志」などが使われる場合もあります。

さらに神式では「偲草(偲び草)」や「茶の子」、キリスト教では宗派によって「偲び草」や「昇天記念」とする場合もあります。

これらを水引より上に書き、水引の下には送り主の名前を書きます。

送り主の名前は、故人の姓もしくは喪主の姓とするのが一般的です。

いずれも文字が水引に重ならないよう、気をつけて書きましょう。

あ

掛け紙のマナーは複雑で難しいように思われますが、お香典返しをお求めの際に百貨店の販売員さんなどにお尋ねになれば、きちんと対応していただけますのでご安心ください。

お礼状と一緒に渡す

お香典返しにはお礼状を添えてお送りします。

お礼状には「会葬・お供え物へのお礼」「四十九日の法要を終えたご報告」などを書きましょう。

お香典返しに添えるお礼状や挨拶状の書き方についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、お礼状の例文などを知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

>>「【家族葬の挨拶状】葬儀後や忌明けの連絡、香典返しの例文を紹介!」

お返しは不要と言われた場合は挨拶状のみ送る

お香典をくだださる方のなかには、「お返しは不要」と言われる方もいらっしゃいます。

この場合はお気持ちをありがたく受け取って、ご挨拶状のみをお送りするのが一般的です。

別の機会にお歳暮やお中元をお送りして、あらためて感謝の気もちをお伝えになるのもよいでしょう。

参考記事:「【家族葬の挨拶状】葬儀後や忌明けの連絡、香典返しの例文を紹介!」

【相手別】家族葬で香典返しをする場合のマナーや注意点

【相手別】家族葬で香典返しをする場合のマナーや注意点

あ

家族葬でお香典返しをする際には、先方の立場に応じたマナーを守る必要があります。

親戚に対する香典返し

一般的に、お香典返しの基本は「半返し」と言われます。

しかし厳密に半額である必要はなく、お香典でいただいた金額の半分~三分の一程度を目安になさるとよいでしょう。

家族葬においても、この金額の目安は変わりません。

近しいお身内や目上のご親戚のなかには、ご遺族の金銭的な負担を気づかって、多めのお香典をくださる方もいらっしゃいます。

この場合は無理をして半返しせず、まずはお気もちをありがたく受け取りましょう。

一般的な価格のお香典返しを差し上げ、その後にお歳暮やお中元をお送りして感謝の気もちをお伝えになることをおすすめします。

会社や職場に対する香典返し

次に、会社や職場へのお香典返しについて考えてみましょう。

会社の方から個人名もしくは連名でいただいたお香典には、お香典返しが必要です。

個人であればお香典返しの基本どおり、いただいた金額の半分~三分の一程度の価格を目安にした品ものを送りましょう。

連名の場合は、その場でみなさんで召し上がっていただける菓子折りなどがよいでしょう。

また会社名義のお香典は、「死亡見舞金」や「慶弔見舞金」など福利厚生の一環として支給されている場合があります。

これらの場合、一般的にお香典返しは不要とされています。

故人の友人や他の参列者に対する香典返し

そのほかの方々からのお香典には、お香典返しの基本どおり、いただいた金額の半分~三分の一程度の価格を目安にした品ものを送ります。

とくに故人と親しくおつきあいのあったご友人には、故人が好きだったお菓子などを選んで送るのもよいでしょう。

家族葬で香典を辞退した場合のお返しについて

家族葬で香典を辞退した場合のお返しについて

家族葬では、お香典を辞退するご遺族も多く見受けられます。

しかしお香典を辞退するとお伝えしていても、お香典をお持ちになる方・送ってくださる方がいらっしゃるかもしれません。

この場合は無理にお断りすることは避け、後日お香典返しをお送りします。

また、お香典返しと会葬御礼は別のものです。

会葬御礼はお通夜や葬儀にいらしてくださった方全員にお渡しするお礼の品ですので、お香典を辞退する場合でも会葬御礼は準備しておかなければなりません。

家族葬における香典返しの挨拶状やお礼状の書き方や文例

家族葬における香典返しの挨拶状やお礼状の書き方や文例

あ

次に、お香典返しに添えるお礼状について詳しく見ていきましょう。

香典返しの挨拶状・お礼状文例

お香典返しに添えるご挨拶状・お礼状に必要なポイントは以下とおりです。

香典返しの挨拶状・お礼状に書くべきこと
  • お香典・お供物へのお礼
  • 法要を終えたご報告
  • 故人が生前お世話になったお礼
  • お香典返しの品ものを送るお知らせ
  • ご挨拶にうかがわずにお送りすることへのお詫び

以上のポイントを踏まえた上で、そのまま使える文例をご紹介します。

 

一般的な香典返しの挨拶状・お礼状文例①

謹啓
御尊家御一同様には益々御清祥にお過ごしの御事と存じます
先般亡父(母など送り主との続柄)◯◯(故人の名)の葬儀に際しましては ご多忙中のところご会葬をならびにご芳情を賜りお礼申し上げます
おかげをもちまして 四十九日の法要を滞りなく相営みましたことをご報告申し上げます
故人が生前に賜りましたご厚情にあらためて感謝申し上げます
つきましては供養のしるしに心ばかりの品をお送りいたしますのでご受納くださいますようお願い申し上げます
早速拝趨の上お礼申し上げるべきところ 略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
謹白

一般的な香典返しの挨拶状・お礼状文例②

拝啓
父(母など送り主との続柄)◯◯(故人の名)の永眠に際しましては ご丁寧なお心遣いを賜りお礼申し上げます
おかげさまで ◯月◯日に四十九日の法要を滞りなく済ませることができました
生前故人へのひとかたならぬご厚誼に感謝いたします
心ばかりの品ではございますが 供養のしるしとしてお届けいたしますのでお納めください
略儀ながら書中にてご挨拶申し上げます
敬具

親しい方への香典返しの挨拶状・お礼状文例

先日はお忙しいなか 父(母など送り主との続柄)◯◯(故人の名)の葬儀にご参列いただきありがとうございました
またご丁寧なお心遣いをいただき 心よりお礼申し上げます
おかげさまで 四十九日の法要を済ませることができました
生前親しくおつきあいいただいたみなさまに見送られ 故人も喜んでいることと思います
つきましては 心ばかりの品ですが供養のしるしとしてお届けいたします
どうぞお納めください
本来であれば お目にかかってお礼を申し上げるべきところですが まずは書中にてご挨拶申し上げます

あ

以下では、お香典返しの挨拶状・お礼状を書く際の注意点を解説します。

季節の挨拶は書かない

お香典返しに添えるご挨拶状・お礼状には、季節の挨拶は不要です。

「謹啓・謹白」「拝啓・敬具」などの頭語・結語を使う場合には、正しい組み合わせで用いるように気をつけましょう。

句読点は使用しない

弔事のお礼状では「、」や「。」などの句読点は使わないのがマナーとされています。

もともと書状は毛筆で書かれることが多く、句読点を用いる習慣がありませんでした。

また「法要を滞りなく終えられるように」という思いからも、文章を区切る句読点を用いない習慣が守られています。

忌み言葉を使わない

弔事においては、お通夜や葬儀の席からお礼状まで、忌み言葉を避けるように心がけなくてはなりません。

忌み言葉とは、直接的にご不幸を連想させる表現やご不幸が重なること思わせる表現です。

ご不幸を連想させる「死ぬ」「死去」ではなく「他界」や「永眠」を、「生存中」ではなく「生前」を用いるようにしましょう。

またご不幸が重なること思わせる「重ね言葉」には、「重ね重ね」「ますます」「いよいよ」などがあります。

あ

言葉選びが難しいと感じる場合は、先ほど紹介した文例を使いましょう。

ハガキでも手紙でもOK

ここでは、お香典返しに添える挨拶状やお礼状の形式について考えてみましょう。

もっとも格式がたかく正式なものとして、奉書紙と呼ばれる和紙が挙げられます。

従来は毛筆に適した手すきのものを奉書紙と呼んでいましたが、最近では印刷が可能なものも多く手に入ります。

お手紙の挨拶状やお礼状を添えられる場合には、このような和紙をお使いになるとよいでしょう。

その際には封筒も揃いの素材にします。

 

次に考えられるのは、カードを封筒に入れて添える形式です。

この場合も、白の少し厚みのある紙が用いられます。

もちろん印刷が可能です。

 

また、さらに簡略化したものとしてハガキが挙げられます。

注文して印刷することが可能ですし費用もかさみませんので、もっとも手軽な形式と言えます。

 

お香典返しに添えるお礼状や挨拶状の書き方についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、お礼状の例文などを知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

>>「【家族葬の挨拶状】葬儀後や忌明けの連絡、香典返しの例文を紹介!」

家族葬の香典を即日返しする場合のマナーや注意点

家族葬の香典を即日返しする場合のマナーや注意点

あ

これまでは忌明けにお香典返しを送ることが一般的とされていましたが、近年ではお香典の「即日返し」が増えています。

ここでは、お香典の即日返しをする場合のマナーや注意点を見ていきましょう。

2,000〜3,000円ほどの同じ香典返しを用意しておく

即日返しをする際には、お通夜・告別式当日に2,000〜3,000円ほどの品ものをあらかじめ用意しておきます。

いただいたお香典の金額にかかわらず、一律の品ものをお返しとしてお渡しすることになります。

いただいたお香典の金額が大きいという場合には、あらためて忌明けにお香典返しをお送りになることをおすすめします。

この場合も、目安はいただいたお香典の金額の半分から三分の一と考えます。

そこから当日にお渡ししたお香典返しの価格を差し引いた価格で、品ものをお選びになるとよいでしょう。

会葬御礼とは別で渡す

会葬御礼は、お通夜や葬儀に参列してくださった方への御礼としてお渡しする品ものです。

お香典の即日返しの品ものとは別にお渡しする必要がありますので、注意しましょう。

無宗教の家族葬における香典返しのマナーや注意点

無宗教の家族葬における香典返しのマナーや注意点

最近では、宗派にこだわらず無宗教で家族葬をとり行うご遺族も増えています。

無宗教で家族葬をとり行った場合、お香典返しはどのようにすればよいのでしょうか。

あ

ここでは、無宗教で家族葬をとり行った場合のお香典返しのマナーや注意点について見ていきたいと思います。

香典をもらう場合は香典返しをする

香典返しはもともと仏教のしきたりになります。

しかし無宗教での葬儀でも、お香典を辞退せずに受け取った場合にはお香典返しをなさることをおすすめします。

香典返しの品物

無宗教の葬儀であっても、お香典返しのために選ぶ品ものに関して特別な決まりはありません。

基本的には、通常お香典返しに用いられる品もののなかからお選びになるのが無難でしょう。

香典返しをする時期

無宗教での葬儀では、お香典返しに決まった時期がありません。

しかしあまりに時間が過ぎてしまってからのお返しでは、失礼になってしまいます。

いくつかのタイミングを挙げてみますので、ご参考になさってください。

 

■葬儀終了後

従来のお香典返しは忌明けにお送りするものとされていますが、無宗教の場合は忌明けとされるタイミングがありません。

そのため、葬儀が終わったらすぐにお香典返しをお送りになることも可能です。

■一般的な忌明けの時期

一般的な忌明けは仏式では四十九日、神式では五十日とされています。

このタイミングにならってお香典返しをお送りになれば、先方にもお香典返しであることが伝わりやすくなるでしょう。

■納骨の時期

無宗教での葬儀では、納骨の時期もお香典返しをお送りするひとつのタイミングと考えられます。

掛け紙(のし紙)の書き方

無宗教のお香典返しの掛け紙の表書きは、もっとも一般的な「志」とされるとよいでしょう。

「志」は宗派に関わらず用いられます。

水引きは、一般の宗派の葬儀と同様に「黒白結び切り」もしくは「黄白結び切り」のものを使用します。

水引の下には、故人の姓もしくは喪主の姓を書き入れます。

あ

無宗教の葬儀では掛け紙はお使いにならず、包装のみにとどめることも可能です。

お礼状の書き方や文例

無宗教の葬儀であっても、お香典返しには挨拶状・お礼状を添えましょう。

ご挨拶状・お礼状に必要なポイントは以下とおりです。

挨拶状・お礼状に必要なこと
  • お香典・お供物へのお礼
  • 故人が生前お世話になったお礼
  • お香典返しの品ものを送るお知らせ
  • ご挨拶にうかがわずにお送りすることへのお詫び

仏式・神式の葬儀のような「法要を終えたご報告」が省かれる点にご注意ください。

あ

「無宗教で葬儀をとり行ったため、今後の年忌法要は行わない」という旨をこの挨拶状・お礼状でお伝えしておくことも可能です。

 

家族葬の全体像について詳しく知りたい方はこちらの記事で分かりやすく解説しているので、ぜひご覧になってみてください。

>>「家族葬とはどんなお葬式?おすすめの理由やメリットデメリットを解説!」

 

また葬儀をお願いする葬儀社が決まっていない方は、こちらの記事でおすすめの葬儀社についてスタッフの対応や料金、口コミなどを比較してランキング形式で紹介しているので、ぜひご覧ください。

>>「【おすすめ葬儀社16社ランキング】口コミや評判、特徴を徹底比較!」