「家族葬だけど、喪主は挨拶したほうがいいのかな?」
「家族葬で喪主挨拶するけど、なんて話したらいいか分からない…」
家族葬は基本的に近しい間柄の方達だけで行うお葬式ですが、喪主として挨拶するのは緊張しますよね。
どんな挨拶をしたらいいか分からないという気持ちも理解できます。
でも安心してください。
今回は、家族葬における喪主挨拶を、お通夜や告別式、精進落としなど挨拶が必要な全てのタイミングに分けて解説します。
喪主挨拶の注意点やそのまま使える例文もご紹介するので、参考になれば幸いです。
家族葬では喪主の挨拶は不要?
ごく近しい方のみでとり行われる家族葬ですが、葬儀の責任者として喪主を立てる必要があります。
葬儀社や僧侶との打ち合わせを代表として行うほかに、いくつかの場面でご挨拶をすることが喪主の大きな役割です。
少人数の葬儀なのだから、喪主のご挨拶は不要ではないかとお考えになる方もあるかもしれません。
しかしいくら身内ばかりとは言っても、喪主は場面ごとに感謝の気もちを表さなければなりません。
親しいご友人やお知り合いが参列なさっている場合はなおさらです。
ここでは喪主のご挨拶が必要になる場面ごとにポイントを押さえ、例文を挙げてみたいと思います。
家族葬の通夜における喪主挨拶のポイントと例文
まずはお通夜の席での喪主のご挨拶について考えてみましょう。
受付での弔問客や参列者への喪主挨拶例文
受付で弔問客や参列者をお迎えする際のご挨拶は、短めがよいでしょう。
「お忙しいところをお運びいただき、ありがとうございます」
「お足もとの悪いなか(雨天の場合)、お悔やみありがとうございます」
「生前は◯◯(故人の名前)がお世話になりました」
通夜中の喪主挨拶例文
お通夜の席でご挨拶をなさる場合は、まずご参列いただいたことへのお礼を述べます。
故人のエピソードを短めにお話しになるのもよいでしょう。
「本日はお忙しいなか、父◯◯の通夜式にご参列いただき誠にありがとうございます。
父◯◯は令和◯年◯月◯日、◯◯歳の生涯を閉じました。
たいへん安らかな最期でした。
多くの趣味を持ち、よき仲間に恵まれ、幸せな生涯を全ういたしました。
生前に賜りましたご厚誼に厚くお礼申し上げます。
今後は家族一同、力を合わせてまいります。
故人同様、みなさまのお力添えをお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。」
通夜が終わった時の喪主挨拶例文
参列者のご焼香が終わり僧侶が退席したら、喪主はお通夜の終わりのご挨拶をします。
ここではお通夜に参列していただいたお礼を述べ、通夜振る舞いの準備がある場合には、そのお誘いも忘れず言い添えましょう。
「本日はお忙しいなか、父◯◯のために通夜式にお運びいただき、ありがとうございました。
こうしてみなさまにお集まりいただき、亡き◯◯もたいへん喜んでいることでしょう。
ささやかですが、別室にお茶などをご用意させていただきました。
父の思い出話などお聞かせいただければと思います。
みなさま、どうぞ今しばらくお付き合いください。」
通夜振る舞い開式の喪主挨拶例文
通夜振る舞いの開始時にも、手短にご挨拶します。
「乾杯」はお祝いの席で使われる言葉ですので避けましょう。
必要な場合は「献杯」と言い換えます。
「本日は父◯◯ためにお時間をいただき、誠にありがとうございます。
亡き◯◯もさぞ喜んでいることと思います。
故人を偲んで思い出話などなさりながら、ごゆっくりお召し上がりください。」
家族葬での献杯挨拶についてはこちらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
家族葬の献杯挨拶は誰がやるべきなのでしょうか?そこで今回は家族葬の献杯について分かりやすく解説していきます。スピーチや発声の仕方や例文、マナーまで全てお伝えするので、ぜひご覧ください。
通夜振る舞い閉式の喪主挨拶例文
通夜振る舞いの終了時には、時間を見計らってご挨拶をします。
「お開き」はお祝いの席で使われる言葉ですので避けましょう。
必要であれば、葬儀や告別式のご案内も付け加えます。
「本日は突然のことにもかかわらずお運びいただき、ありがとうございました。
亡き父◯◯に代わり、厚くお礼申し上げます。
みなさまのおかげで、滞りなく通夜の式をすませることができました。
まだごゆっくりとお過ごしいただきたいところですが、夜も更けて参りましたので、本日はこのあたりで終了とさせていただきます。
明日の告別式は◯◯時よりとり行う予定でございます。
本日は遅くまでありがとうございました。」
家族葬の告別式、出棺における喪主挨拶のポイントと例文
次に告別式当日の喪主のご挨拶について考えてみましょう。
受付での弔問客や参列者への喪主挨拶例文
告別式当日も、まず受付で弔問客や参列者をお迎えするご挨拶から始まります。
お通夜のときと同様に、ここでのご挨拶は短めがよいでしょう。
「お忙しいところをお運びいただき、ありがとうございます」
「ご丁寧に恐れ入ります」
告別式の喪主挨拶例文
告別式終了の際にも、喪主がご挨拶をします。
このとき大切な点は、葬儀・告別式に参列していただいたお礼の気もちを伝えることです。
同時に「生前故人がお世話になったことへのお礼」「遺族との今後も変わらぬお付き合いのお願い」などを盛り込まれるとよいでしょう。
家族葬の場合はご挨拶も短めになる場合が多いようです。
「本日はお忙しいなか、父◯◯の葬儀にお運びいただき、誠にありがとうございました。
おかげさまで、通夜・告別式を滞りなくとり行うことができました。
みなさまに送られ、父も感謝していることと思います。
生前お世話になったみなさまに、父◯◯に代わり心からお礼申し上げます。
これからは家族一同、力を合わせてまいります。
今後とも、故人同様、みなさまにお力添えいただけますようお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました」
「みなさま、本日はお忙しいところ故◯◯のためにご参列いただき、誠にありがとうございました。
おかげさまで、無事告別式をとり行うことができました。
ご丁寧にお見送りいただき、故人もたいへん喜んでいることと存じます。
◯◯に代わりまして、生前みなさまよりいただいたご厚情に心からお礼申し上げます。
残された私どもにも、今後ともご指導・ご鞭撻をいただけましたら幸いに存じます。
本日は誠にありがとうございました。」
以下のように、故人のエピソードや故人の最後の様子などをお話しになるのもよいでしょう。
「仕事一筋の真面目な父でした。
私ども家族とはなかなかゆっくり過ごす時間もありませんでしたが、懸命に一家を支える姿を子どもながら尊敬しておりました。」
「父は数年前より体調を崩しておりました。
入院中はみなさまよりお心のこもったお見舞いをいただき、気丈に過ごしておりましたが、◯月◯日未明、家族が見守るなか旅立ちました。」
どの場合のご挨拶でも、「忌み言葉」は避けるように気をつけます。
「忌み言葉」には、「重ね言葉」のほかにも不幸を連想させる言葉・生死や苦しみを直接的に表現する言葉などがあります。
まず「重ね言葉」では「ますます」「しばしば」「再び」「重ね重ね」などが挙げられます。
不幸が続いたり重なったりすることを意味するとされ、葬儀の席では避けるべき言葉とされています。
ご挨拶でつい使ってしまいがちな「くれぐれも」「いろいろな」「かさねがさね」「たびたび」なども「重ね言葉」になりますので、注意しましょう。
また不幸を連想させる「四」や「九」、「消える」「迷う」なども葬儀では使われない言葉です。
「死ぬ」「生存中」「急死」などは生死や苦しみを直接的に表現する言葉とされ、それぞれ「他界」「生前」「突然のこと」のように言い換えてお使いになるとよいでしょう。
出棺時の挨拶例文
祭壇に安置されていた棺の蓋を閉め霊柩車に運び入れる前、もしくは棺を霊柩車に運び入れて火葬場に向かう前のご挨拶です。
内容は前項の告別式終了時のご挨拶とほとんど同じになります。
告別式終了時にはご挨拶はせず、出棺時のみにご挨拶をする場合もあります。
家族葬の精進落としにおける喪主挨拶のポイントと例文
初七日法要を終えたあとに、僧侶や参列者に食事を振る舞うことを「精進落とし」と言います。
喪主は精進落としの始めと終わりにご挨拶をします。
精進落とし開式の喪主挨拶例文
精進落としの開式のご挨拶では葬儀を無事に終えたご報告をし、ゆっくりと食事をしていただきたいことを伝えます。
「本日はお忙しいなか故◯◯をお見送りいただき、ありがとうございました。
おかげさまで、滞りなく葬儀を済ませることができました。
ささやかではございますが、精進落としのお膳をご用意しました。
どうぞごゆっくりおくつろぎいただき、お召し上がりください。」
精進落とし閉式の喪主挨拶例文
閉式のご挨拶では精進落としの終わりを告げ、あらためて参列者へのお礼を伝えます。
「まだゆっくりと故人のお話をうかがいたいところですが、お時間となりましたので、このあたりで終了とさせていただきます。
これまで同様、今後とも私ども家族にご指導のほどお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。」
家族葬の告別式に僧侶を呼んだ場合の喪主挨拶
葬儀に僧侶を呼んだ場合は、出迎えのときとお見送りのときにご挨拶をします。
僧侶の出迎えの喪主挨拶例文
「本日はお忙しいなか、ご足労いただきまして誠にありがとうございます。
何分にも不慣れでございますので、どうぞよろしくご指導ください。」
僧侶のお見送りの喪主挨拶例文
「本日はたいへん丁寧なお勤め、誠にありがとうございました。
おかげさまで無事に葬儀をとり行うことができました。
こちらは些少でございますが、どうぞお納めください。」
お見送りの際、僧侶にはお布施をお渡ししましょう。
家族葬における喪主挨拶の注意点
一般に家族葬での喪主のご挨拶は、簡単で短めになる場合が多いようです。
身近な方々でのお見送りですので、喪主の方はあまり固くならず、心を込めた言葉をお選びになるとよいでしょう。
ここでは、家族葬における喪主挨拶のいくつかの注意点を挙げてみたいと思います。
挨拶は長くても5分以内の簡潔な内容に
式の流れや時間配分もありますので、ご挨拶は簡潔に行います。
具体的には各ご挨拶2〜3分程度、長くても5分以内を心がけるとよいでしょう。
料理の味が落ちてしまわないよう、とくに通夜振る舞いや精進落としなど食事の開始時には、短めを心がけるようにします。
声は大きくはっきりと聞こえるように
せっかくご挨拶をなさるのですから、参列者のみなさんに聞こえるよう少し大きめの声で、はっきりと話しましょう。
挨拶文を印刷して原稿やカンペを持ち込むのもあり
印刷、または手書きの原稿を持ってご挨拶をなさることは、失礼にはあたりません。
暗記してすらすらとお話しができる方ばかりではありません。
ご挨拶のことで頭がいっぱいで緊張してしまっては、後悔のないお見送りができなくなってしまいます。
無理をなさらず、事前に考えた原稿を持ってお話しになるとよいでしょう。
大切なのは感謝の気持ちやお礼をしっかりと伝えること
いちばん大切なのは、参列者に感謝の気もちをしっかりとお伝えすることです。
「故人が生前お世話になったことへのお礼」と「参列してくださったことへのお礼」さえ伝わればよいのです。
緊張しすぎずゆっくり話すように心がけ、感謝の気もちを伝えましょう。
泣くのも仕方ないが、あまり取り乱さないように
ご挨拶の際に泣いてしまわれることもあるかと思います。
あまり取り乱してしまっては、せっかくのご挨拶の言葉が参列者の方々に伝わりません。
精神的につらく、喪主としてのご挨拶が難しい方もいらっしゃるでしょう。
また喪主が高齢である場合、まだ幼いお子さんの場合なども考えられます。
そのような場合には無理をなさらず、近しい方に代理でご挨拶をお願いすることもできます。
喪主以外の方がご挨拶に立たれる場合には、ご挨拶の始めに故人との関係をお話しになり自己紹介をなさるとよいでしょう。
「喪主に代わりまして親族を代表してご挨拶を申し上げます。
故人の◯◯(続柄を述べる)の◯◯でございます。」
「本来ならば喪主◯◯がご挨拶申し上げるところでございますが、いまだ年若でございますので、故人の◯◯(続柄を述べる)が代わりましてご挨拶を申し上げます。」
家族葬は近しい間柄の方が集まるお葬式ですので、変に身構える必要はありません
「故人が生前お世話になったこと」「参列してくれたこと」この2つのお礼の気持ちをしっかり伝えられれば問題ありませんよ。
喪主挨拶の他に喪主がやることについてはこちらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
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