「家族葬を開くとどんなトラブルがあるの?」
「家族葬を行うことで後悔した人はいないのかな?」
「家族葬にするメリットとデメリットを知りたい」
家族葬はまだ多くの人に認知されておらず、親戚や近所の方とトラブルになる事例は少なくありません。
故人の遺志で家族葬にしてほしいと言われたものの、周囲の方から理解を得られないことには不満の声もあがりそうなものです。
そこで今回は、家族葬にしてトラブルが起こった事例や後悔した体験談7つを分かりやすくご紹介します。
これらのトラブルを回避するためのポイントや対策もお伝えするので、家族葬にしようか迷っている方の参考になれば嬉しいです。
家族葬とはどんなお葬式?
家族葬は、ごく身近なご親族のみでとり行われる小規模なお葬式です。
参列者の数も、ほとんどの場合10~30名程度になります。
家族葬の内容は一般の葬儀とあまり変わらず、お通夜と告別式の後、火葬がとり行われます。
それぞれの宗派でとり行うこともできますし、宗派にこだわらない自由葬という形をお選びいただくことも可能です。
家族葬をお選びになるご遺族は増えてきていますが、まだ新しい形の葬儀ですので聞きなれないと思われる方も多いのが現状です。
そのため「どなたにご参列いただくのか」「お香典は受け取るのか辞退するのか」など、家族葬をとり行うにあたって、ご遺族の意向をまとめることが難しい場合もあります。
「故人の遺志で家族葬をとり行いたかったのに、親戚に受け入れてもらえなかった」「家族葬をきっかけに親族や近所の方とのおつきあいが難しくなった」などのケースも見受けられます。
「葬儀をやりなおさなければならなくなった」という事例さえあるのです。
このような事態を避けるため、ここでは家族葬で起こりやすいトラブルについて考えてみたいと思います。
家族葬についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事で家族葬についての全体像を分かりやすく解説しているので、ぜひご覧ください。
>>「家族葬とはどんなお葬式?おすすめの理由やメリットデメリットを解説!」
初めて家族葬を行う方向けに、家族葬とは何なのかから、通夜や告別式の流れ、呼ぶ参列者の範囲、費用相場、弔電や挨拶まで全てのことを分かりやすく解説します!
【後悔した…】家族葬のトラブル体験談
まず、家族葬で起こりがちなトラブルの例を挙げてみましょう。
家族葬に兄弟や親戚を呼ばなかったことで揉めた
すべてのご親族、多くのお知り合いに広くお知らせしてとり行う一般の葬儀とはちがい、家族葬ではお声がけする方も限られます。
あまりおつきあいのないご親族にはお知らせしない、もしくはお知らせしても参列はしていただかないという場合も考えられます。
そのため家族葬への参列をご遠慮いただくご親族や、故人が亡くなられたことを知らされなかったご友人のお気もちを損ねてしまうというトラブルが起こりがちです。
「どうして私は参列できないのか」「最後のお別れがしたかったのに」「◯◯さんにはぜひ来ていただかなくてはいけない」といったお声が上がり、家族葬でのお見送りを諦めてしまわれるケースもあります。
このような意見があるなかで無理に家族葬をとり行い、葬儀後のご親族とのおつきあいが難しくなってしまったという方もおられます。
家族葬にどこまで呼ぶかについてはこちらの記事で解説しているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
家族葬に呼ぶ人の範囲を決めるのは難しいものですよね。故人の遺志は尊重したいものですが、呼ぶ呼ばないで揉めるのも怖いと思います。そこで今回は、家族葬にどこまで呼ぶべきか決め方をわかりやすく解説します。
親戚や親族に家族葬にした理由を理解されなかった
お身内のなかに「できるだけ多くの方にご参列いただいて故人をお見送りするべき」「盛大な葬儀をとり行えば故人も喜ぶ」といった考えの方がおいでの場合も考えられます。
これまで一般の葬儀に慣れてきた方であれば、大きく豪華な葬儀がいちばんと思われるのは当然かもしれません。
しきたりを大切に考える地方やお家柄であれば、この傾向はさらに強まります。
そのような方々にとって家族葬は「寂しい葬儀」「みすぼらしい葬儀」と感じられ、家族葬でのお見送りを反対されてしまうケースも見受けられます。
近所の方に冷たいと思われてしまった
身近なご親族のみでとり行う家族葬では、ご近所の方の参列は辞退する場合が多くなります。
当然参列するものと考えていたご近所の方には、ご遺族の対応が冷たいと受けとられてしまうかもしれません。
とくにご近所づきあいを大切に考える地方で、ご遺族が故人と同居されていた場合には、葬儀の後のおつきあいが難しくなり、住みづらくなってしまったというケースも見受けられます。
故人の友人を葬儀に呼ばなくて怒られた
ご遺族が故人の交友関係をすべて把握しているとは限りません。
故人がたくさんの趣味をもたれていた場合やさまざまな団体に所属していらっしゃったという場合には、親しかったお友だちも多いでしょう。
そういったお友だちから、葬儀後に「どうして知らせてくれなかったのか」「お別れがしたかった」などのお声が上がり、怒られてしまうケースもあります。
故人の友人を家族葬に呼ぶかどうかについてはこちらの記事で解説しているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
家族葬に故人の友人が参列してもいいのでしょうか?そこで今回は故人の友人が家族葬に参列できる場合・できない場合それぞれのケースについて解説します。参列する場合の服装マナーや参列できない場合の弔意の示し方などもお伝えします。
想像よりもお金がかかってしまった
金銭面での思いがけないトラブルも考えられます。
家族葬は一般の葬儀に比べると小規模ですので、葬儀の費用も抑えられるのが普通です。
けれども参列者が少ない分、お香典の金額も少なくなりますし、お香典を辞退された場合にはご遺族の負担はさらに大きくなってしまいます。
その結果、予想していたよりもお金がかかってしまう例もあります。
また弔問客や参列者が予定したよりも多く、お香典返しやおもてなしの費用がかさんでしまったというケースも見受けられます。
菩提寺の僧侶や住職を呼ばなくて揉めるケース
菩提寺と関わりが深いご家族や菩提寺にお墓があるというケースでは、戒名は菩提寺の僧侶につけてもらうのが一般的です。
また納骨や年忌法要など菩提寺とのおつきあいは、葬儀の後も続きます。
「菩提寺はあるけれど葬儀は無宗教でとり行いたい」という場合や「葬儀費用を抑えるために遠くの菩提寺の僧侶は招かない」という場合、葬儀後に菩提寺とのあいだでトラブルになってしまう可能性が考えられます。
家族葬を終えた後の弔問客が多くて対応に疲れた
家族葬を終えた後、参列できなかった多くの方々が弔問に来られ、対応に追われてしまうという可能性も考えられます。
お仕事の関係者や故人のお友だち・ご近所の方など、思いがけない数の弔問客が訪れ外出もままならず、葬儀後のお疲れのなか、たいへんな思いをなさったという例もあります。
家族葬が終わった後の弔問は辞退することも可能です。
辞退についての考え方やマナー、連絡法などについてはこちらの記事の後半で解説しているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
家族葬の後日弔問する場合、どんなマナーを守ればいいのでしょうか?今回は家族葬で弔問する際の香典や服装などのマナーについて分かりやすく解説します。また遺族向けに弔電を辞退すべきかどうかや連絡法などもお伝えします。
家族葬のトラブルを回避する方法
では家族葬で起こりがちなトラブルを避けるために、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
葬儀の前からいくつかの点に気を配っておくことで、家族葬のトラブルは回避しやすくなります。
ここでは家族葬のトラブルを回避する方法について考えてみましょう。
故人の遺志で家族葬を行うことを明確に伝える
家族葬をとり行う理由を「故人の遺志で」と明確に伝えましょう。
ご遺族の意向や都合ではなく、あくまでも故人が望んだことであると伝えれば、ご親族や周囲の方々も理解してくださるでしょう。
体調を崩してから、ご本人と葬儀についてのお話をするのは難しいものです。
家族葬にともなう親族間のトラブルを避けるためにも、まずは健康なうちから、ぜひご家族でそれぞれの葬儀について話し合っておかれることをおすすめします。
家族葬にどこまで呼ぶかはしっかり話し合う
家族葬に呼ぶ人については、まず故人の遺志を尊重し、ご遺族やご親族でしっかりと話し合うことが大切です。
話し合いの際に目安となるポイントとしては、「親等」と「人数」などが挙げられます。
「親等」は親戚関係の遠近の単位です。
葬儀では、ご自身の家系であれば6親等まで、配偶者の家系では3親等までを招くのが一般的です。
しかし、6親等となれば「再従兄弟・姉妹(はとこ)」や「又従兄弟・姉妹(またいとこ)」、3親等でも「叔父・叔母」「甥・姪」までが含まれます。
家族葬でお呼びする範囲としては、もう少し狭い範囲でお考えになる方が現実的と言えるでしょう。
また「人数」も重要です。
家族葬はの参列者の人数は10~30名程度とされますので、これを目安に判断なさるのもよいでしょう。
ご親族とのおつきあいは葬儀後も続くものです。
早めに相談し、納得していただいた上で葬儀をとり行うよう心がけましょう。
家族葬にどこまで呼ぶかについて詳しくはこちらの記事で解説しているので、より深く知りたい方はぜひご覧ください。
>>「【家族葬の参列者の範囲は?】どこまで呼ぶべきか決める方法を解説!」
家族葬に呼ぶ人の範囲を決めるのは難しいものですよね。故人の遺志は尊重したいものですが、呼ぶ呼ばないで揉めるのも怖いと思います。そこで今回は、家族葬にどこまで呼ぶべきか決め方をわかりやすく解説します。
訃報の連絡は必要な人だけにしておく
訃報の連絡を最小限にとどめることも、トラブルの回避法のひとつです。
広くお知らせを差し上げるのは、葬儀を終えた後になさるとよいでしょう。
参列をお願いしない方へ故人の逝去だけはお伝えしておきたいという場合には、葬儀会場や日程などは記載せずに訃報の連絡を差し上げます。
家族葬でのお見送りであること、必要であればお香典を辞退する旨も明記しておきましょう。
近所の方には家族葬を行う回覧を出す
ご近所の方には、訃報と同時に葬儀に関するお知らせを回覧します。
このときも葬儀会場や日程などは記載せず、家族葬でのお見送りであることを明記しましょう。
弔問や参列・お香典を辞退する場合には、その旨を丁寧に書き添えます。
それでも土地柄によっては、弔問にいらっしゃる方やお香典を持ってきてくださる方があるかもしれません。
故人と生前親しくおつきあいしてくださった方からのお気もちですので、この場合は強くお断りすることは避け、可能な範囲で丁寧に応対なさることをおすすめします。
家族葬を行う場合のご近所さんへの挨拶の仕方などはこちらの記事で解説しているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
家族葬を行う場合、ご近所さんには挨拶をすべきなのでしょうか?また近所の家族葬には参列した方がいいのでしょうか?今回は家族葬を行う際のご近所さんとの付き合い方について解説します。よくあるトラブルと対処法もお伝えするので、ぜひご覧ください。
葬儀業者としっかり打ち合わせをし見積もりを出してもらう
金銭面での予想外のトラブルを避けるため、葬儀業者とは事前にしっかりと打ち合わせをしておきましょう。
棺や祭壇など葬儀に必要なものの価格には、それぞれかなり大きな幅があります。
葬儀業者に任せきりにすることは避け、「カタログや一覧を見せてもらう」「見積もりを出してもらう」など、ご遺族が決定に参加なさることが重要です。
また「参列者の数が少ない」「お香典を辞退する」という場合には、お香典の金額を含めずに葬儀費用を把握しておくよう気をつけましょう。
おすすめの葬儀社については、こちらの記事で料金やスタッフの対応、口コミなどを比較してランキング形式でご紹介しているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
葬儀社はたくさんあって、どこに頼めばいいか迷ってしまいませんか?今回は有名葬儀社16社の料金や実績、口コミ・評判などを比較しておすすめランキングをご紹介します。詳しく口コミや評判をお伝えするので、葬儀社選びで悩んでいる方はぜひご覧ください。
菩提寺とは事前によく話し合っておく
菩提寺がある場合には葬儀前に連絡をし、よく話し合って納得していただくことが重要です。
小規模な家族葬であっても、菩提寺の僧侶に来ていただくことはできます。
また菩提寺が遠く僧侶を招くと費用がかさむという場合には、菩提寺から近くの同じ宗派のお寺を紹介してもらうことも可能です。
納骨や年忌法要のことも含めた先のことをよく考え、菩提寺には必ず納得していただいた上で家族葬をとり行うようにしましょう。
家族葬を終えた後にお別れ会を開くことも可能
家族葬を終えた後にお別れ会(故人を偲ぶ会)を開くことでトラブルを回避できる場合もあります。
故人にお別れができなかったかった方のお気もちを立てることができ、納得していただくことができます。
葬儀を終えた後であれば、ご遺族の負担も比較的少なくてすむでしょう。
また葬儀の席での「通夜振る舞い」や「精進落とし」などのおもてなしに比べて、費用を抑えることが可能です。
お別れ会を開く場合には、訃報の連絡の際にその旨を書き添えておかれるとよいでしょう。
「家族葬なのでご参列は辞退するけれど、お別れ会にはぜひご参加いただきたい」というように、先方の気もちを汲んだ一文を添えておくことをおすすめします。
お通夜だけ家族葬にして、葬儀や告別式は一般葬にすることも可能
お通夜のみを家族でとり行い、葬儀や告別式は一般葬にするという対策も考えられます。
ご遺族のみで静かに故人と過ごす時間を持つことができますし、ご遺族の体力的・精神的負担も少なめになります。
また故人と親しくしてくださった方が自由に参列していただくことができますので、後から不満の声が上がることも避けられます。
葬儀や告別式のみを一般葬にする場合の訃報連絡には、通夜については記載せず、葬儀や告別式の会場や日時のみを記載しましょう。
家族葬と普通の葬儀とどっちがいい?メリットデメリットを比較
起こりやすいトラブルの例をご覧いただいても分かるように、家族葬にもメリットとデメリットがあります。
以下にまとめてみましたので、よく比較して検討なさってください。
家族葬のメリット
①故人の遺志を尊重した自由な葬儀をとり行える
おしごとの関係者やご近所の方も参列なさる一般の葬儀に比べて、親しいお身内だけの家族葬は自由のきく葬儀と言えます。
「故人が好きだった楽しい音楽を流す」「故人が好きだったものを精進料理にこだわらず召し上がる」「故人の好みの明るい色の花を祭壇に飾る」など、どれも一般の葬儀ではなかなか実現が難しいことですが、家族葬ならば可能です。
②参列者の対応に追われず、ゆっくりとした葬儀をとり行える
悲しみのなかでの会社関係者やご近所の方へのおもてなしは、体力的にも精神的にも大きな負担です。
その点、家族葬では親しいお身内だけで最後の時間を過ごし、ゆっくりと故人をお見送りすることができます。
③葬儀費用の負担が少ない
一般的な葬儀に比べると、家族葬の費用は少なめです。
一般の葬儀と家族葬では、およそ50万円ほどの費用のちがいがあるとする調査の結果も見られます。
この結果には、おもてなし(飲食)と会葬返礼品にかかる費用は含まれていません。
おもてなし(飲食)と会葬返礼品は一般の葬儀では欠かせないものですので、削ることが難しい部分です。
その点、参列者の少ない家族葬では自由がきき、費用を抑えることができるのです。
このように家族葬では、一般の葬儀に比べて50万円以上の費用負担を減らすことも可能と言えます。
家族葬のデメリット
①ご親戚やご近所の方々とのあいだでトラブルになる可能性がある
家族葬をとり行う場合、ご親戚の理解がとても重要です。
ご親戚の理解を得られなければ、家族葬でのお見送りは難しいでしょう。
また土地柄によっては、ご近所の方々のご参列をお断りしづらいという場合も考えられます。
どちらも葬儀の後も続くおつきあいですから、無理に家族葬をとり行うことはおすすめできません。
故人の遺志、ご遺族の意向であることをお伝えしても周囲の納得を得られない場合には、家族葬について再度検討する必要があるでしょう。
②弔問客が増え、対応が大変になる可能性がある
一般の葬儀においても、葬儀に参列できなかった方々が葬儀後にご自宅へ弔問においでになる場合があります。
家族葬は限られた人数でとり行われるため、会社の関係者や近所の方々など、葬儀後の弔問客がさらに増えてしまう可能性もあります。
体力的につらい・外出の予定があるというような場合には無理に弔問を受け入れず、丁寧にお断りするか日を改めていただくという対応も必要です。
弔問を辞退する場合の連絡法や文例などについてはこちらの記事の後半で解説しているので、詳しく知りたい方はご確認ください。
家族葬の後日弔問する場合、どんなマナーを守ればいいのでしょうか?今回は家族葬で弔問する際の香典や服装などのマナーについて分かりやすく解説します。また遺族向けに弔電を辞退すべきかどうかや連絡法などもお伝えします。
③周りの理解が得られない場合がある
一般の葬儀に比べると、家族葬はまだ新しく聞きなれない葬儀の形です。
そのため年配の方や地域のつながりを大切に思う方には、なかなか受け入れていただけない場合もあります。
周りの理解を得られないまま無理に家族葬をとり行うことは避け、まずは丁寧に故人とご遺族の思いをお話ししましょう。
家族葬のことをよく知らないまま参列したけれど、「あたたかないい葬儀だった」「自分もこんなふうに見送ってもらいたい」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
周囲の方々のご意見もよく聞き、その上であらためてご遺族で家族葬について話し合われることをおすすめします。
家族葬についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事で家族葬についての全体像を分かりやすく解説しているので、ぜひご覧ください。
初めて家族葬を行う方向けに、家族葬とは何なのかから、通夜や告別式の流れ、呼ぶ参列者の範囲、費用相場、弔電や挨拶まで全てのことを分かりやすく解説します!