「初めて家族葬を行うのだけれど、お通夜の流れって違うものなの?」
「家族葬のお通夜でも喪主挨拶ってしたほうがいいのかな?」
「家族葬でお通夜を開くけど、服装って何か決まりがあるの?」
初めて家族葬を行う場合、お通夜の流れや決まりが一般葬と違わないか不安になりますよね。
でも安心してください。
今回は、家族葬におけるお通夜の流れや時間など、お通夜の全てを分かりやすく解説します。
お通夜の喪主挨拶や服装、お香典を辞退するかどうかなどもお伝えするので、ぜひ不安な点を解消していただけたらと思います。
家族葬における通夜とは?
そもそもお通夜は仏教などの葬儀前の儀式で、ご親族や知人が集い、夜通し火を絶やさず死者を守るという意味で行われてきました。
故人が亡くなられた当日の夜、ご親族のみで行うお通夜を「仮通夜」、その後日を改めて弔問客とともに行うお通夜を「本通夜」と言います。
しかし最近では交通や宿泊・ご親族の体力などを考え、弔問客が早めに来場・退席する「半通夜」が多くなっているのが現状です。
ご親族やごく近しいお身内だけでとり行われる家族葬では、お通夜についても一般の葬儀に比べると参列者は少なく時間は短めになる場合が多いようです。
家族葬を選ばれるご遺族のなかには、お通夜は行わないという方もいらっしゃいます。
ここでは、家族葬における通夜について見ていきましょう。
家族葬における通夜の流れや時間
お通夜をとり行う場合、大きな流れは一般的な葬儀と変わりありません。
参列者が少なくお焼香などにかかる時間も短くなるため、2時間ほどで終了する場合がほとんどです。
遺族や親族集合
ご親族は、お通夜の開始30分ほど前には斎場に集まります。
あまり早いとまだ待合室が使えないという場合もありますので、30分から1時間前を目安になさるとよいでしょう。
通夜開式、お焼香
喪主・ご親族が着席、斎場の担当者が開式を告げます。
僧侶が入場し、読経が始まります。
とくに僧侶をお呼びせずに行われる無宗教のお通夜の場合は、読経は省かれます。
喪主・ご親族・そのほかの参列者の順でお焼香が行われます。
家族葬では、お焼香は15〜30分で終了する場合が多いでしょう。
僧侶の法話、閉式
参列者のお焼香が終わると、僧侶が法話を行います。
あまり長いお話にはならず、短めで終わる場合が多いようです。
その後、僧侶が退場、斎場の担当者が閉式を告げてお通夜は終了します。
通夜振る舞い、食事
お通夜の後、参列者に食事を振る舞うことを「通夜振る舞い」と言います。
長居をする参列者は少なく、1〜2時間で終了する場合がほとんどでしょう。
家族葬、とくにお通夜は身内だけでとり行われることが多く、きちんと準備をした通夜振る舞いは省略されることもあります。
その場合には何かつまめるものや軽いお食事を用意しておいたり、あらかじめ斎場近くの外食できるところを探しておいたり、お腹が空いたときの備えをしておきましょう。
ご親族でつくっておいたものを持ち寄るなどの工夫をされれば、費用も抑えられますよ。
家族葬のお通夜でも喪主は挨拶すべき?
家族葬でのお見送りでも、喪主を立てる必要があります。
喪主は葬儀に関して責任を持ち、最終的な決定をする立場の人です。
お通夜に参列してくださった方たちにお礼の気もちをお伝えするのも、喪主の務めなのです。
ごく近しいお身内だけのお通夜でも、ご挨拶はなさった方がよいでしょう。
どうぞあまり肩肘を張らず緊張なさらず、心のこもった言葉でご挨拶をなさってください。
家族葬のお通夜での喪主挨拶例文
喪主がご挨拶をなさる場合、使うべきではないとされる言葉がいくつかあります。
まずは「重ね言葉」です。
「重ね言葉」には「たびたび」「再三」「重々」、「追って」などがあり、ご不幸が重なるとがないよう避けるべき言葉とされています。
また「忌み言葉」と言われ、縁起が悪いとされる言葉もあります。
「忌み言葉」には「浮かばれない」「迷う」などがあり、宗教によっても異なり少し複雑です。
自信がない、心配だという喪主の方は、事前に原稿を書き葬儀社のスタッフに見てもらうとよいでしょう。
葬儀社のスタッフは葬儀のプロですので、より適切な言い回しをアドバイスしてくれるでしょう。
ここからは、喪主のご挨拶で気をつけたい点を簡単な例文をあげながらお話しします。
通夜終了後の喪主挨拶
お通夜の終わりには、参列していただいた方々へのお礼のご挨拶をします。
通夜振る舞いのしたくがある場合には、その旨をご案内することも大切です。
本日はご多用のところ、◯◯(父・母・故人の名でもよいでしょう)のためにお運びいただき、誠にありがとうございました。
こうしてみなさまにお集まりいただき、亡き◯◯も喜んでいることと存じます。
ささやかですが、別室にお食事の席をご用意させていただきました。
故人を偲んで、ゆっくりと召し上がっていただければ幸いでございます。
通夜振る舞い開始の喪主挨拶
通夜振る舞いの開始時にも、手短でもご挨拶をなさった方がよいでしょう。
「乾杯」はお祝いの席で使われる言葉ですので、避けるようになさってください。
本日は◯◯のためにお時間をいただき、誠にありがとうございます。
◯◯の思い出話などなさりながら、ごゆっくりとお召し上がりください。
通夜振る舞い終了の喪主挨拶
通夜振る舞いは、通常1〜2時間で終了となります。
喪主は時間を見計らって、終了のご挨拶をします。
「お開き」はお祝いの席で使われる言葉ですので、避けるようになさってください。
本日は遅くまでありがとうございました。
みなさまのおかげで、通夜の式も滞りなくすませることができました。
まだごゆっくりとお過ごしいただきたいところですが、夜も更けて参りましたので、本日はこのあたりで終了とさせていただきます。
ここまで、簡単なご挨拶の例文を挙げながらお話ししてみました。
どのご挨拶も、喪主がご遺族を代表して参列者に感謝の気もちを伝えるものです。
「重ね言葉」「忌み言葉」などのルールはありますが、どうぞ家族葬ならではのあたたかな心のこもったご挨拶をなさってください。
家族葬における喪主挨拶や喪主のやることについてはこれらの記事で詳しく解説しているので、喪主挨拶のマナーや注意点、喪主のすべきことについて知りたい方はこれらの記事をご覧ください。
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家族葬の通夜の服装
家族葬と一般の葬儀、お通夜での服装のマナーはちがうのでしょうか?
基本的には、家族葬での服装も一般の葬儀と同じです。
ご親族はお通夜から喪服を着用なさる方がよいでしょう。
男性も女性も、ブラックフォーマルと呼ばれる深い黒の礼服を一揃い持っておかれると安心です。
しかしご高齢の参列者には、フォーマルな服装がつらいこともあるでしょう。
参列者が近しいお身内だけの場合、みなさんで話し合って平服での葬儀と決めることもできます。
このように、それぞれのご家族の事情に合わせて自由が利くという点が小さな家族葬のよさと言えるでしょう。
家族葬のお通夜の服装マナーや注意点について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
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家族葬のお通夜の香典について
身内のみでとり行う家族葬の場合、お香典やお供花を辞退するご家族もおられます。
お通夜や葬儀でのお香典を受け取り、お香典返しのしたくなどの手間をかけたくないというお考えからでしょう。
お香典は持参される場合だけでなく、郵送されてくる場合もあります。
お香典を受け取るか辞退するかについては、事前にご家族でよく話し合って決めておかなくてはいけません。
辞退なさる場合には、故人の逝去をお知らせする訃報で「葬儀が家族葬であること」「お香典やお供花を辞退する」ということも伝えます。
さらにお電話で直接お話しなされば、よりご遺族のお気もちが伝わりますよ。
お香典を受け取るか辞退するかの考え方についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、興味のある方はぜひご覧ください。
>>「【家族葬の香典は辞退すべき?】考え方や辞退の伝え方、文例を解説!」
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家族葬の通夜を行う場所
家族葬のお通夜をとり行う場所は、自宅、寺院や教会、斎場などが考えられます。
このほかに、地域の集会場や公民館でとり行うことも可能です。
お通夜の場所を決める際には、まず故人の遺志を尊重しましょう。
さらにご遺族のお考え・参列者のお住まいからの距離・ご予算などもふまえて、検討なさるとよいでしょう。
家族葬のお通夜にはどこまで呼ぶべき?会社の人や友人も呼ぶ?
家族葬の葬儀やお通夜の参列者の範囲には、はっきりした決まりごとはありません。
基本的にはご親族やごく近しい方々のみで故人を送るのが家族葬とされていますので、一般の葬儀やお通夜に比べると、参列者の人数は少なめになると言えるでしょう。
しかしご遺族のお立場によっては、会社の方やご友人にお声を掛けないわけにはいかない場合もあります。
故人の遺志は尊重しつつ、ご遺族でよく話し合い、葬儀後にわだかまりが残らないよう気をつけたいものです。
家族葬に呼ぶ人の範囲についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、誰を呼ぶか悩んでいる方は参考にしてみてください。
>>「【家族葬の参列者の範囲は?】どこまで呼ぶべきか決める方法を解説!」
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家族葬では通夜を行わないケースもある
家族葬ではお通夜をとり行わないケースも見受けられます。
ここでは、お通夜をとり行わない場合のいくつかの理由を挙げてみましょう。
参加者の都合がつきづらい
まずご親族が遠方にお住まいの場合や、お仕事が忙しくお通夜に参列する時間がとれない場合など、参列者の都合がつきづらいという理由が考えられます。
またご高齢の参列者が多いという場合にも、体調を考えてお通夜はとり行わず告別式のみとされるケースが多いようです。
葬儀にかかる費用や時間を抑えたい
次に費用や時間を抑えたいという理由も考えられます。
一般的な葬儀のようにお通夜と告別式の両方をとり行った場合、費用もかさみ時間もとられてしまいます。
費用や時間に余裕がないという理由から、お通夜をとり行わないケースもあります。
家族の精神的・肉体的な負担がかかる
お身内を亡くされた悲しみのなかで、会場を決め日程を調整しさまざまな連絡をとることは、精神的にも肉体的にも大きな負担です。
ご遺族の負担を少しでも軽くするため、お通夜はとり行わないケースもふえています。
通夜を行わない家族葬では、5〜6万円ほど費用を抑えられる
家族葬でお通夜をとり行わない場合、一般的には、5〜6万円の費用が抑えられるとされています。
以下で、抑えられる費用の内訳を見ていきましょう。
葬儀の際の大きな出費として、まず考えられるのは僧侶へのお支払いでしょう。
宗派によって相場も大きくちがい一概には言えませんが、お通夜をとり行わなければ、お車代とお膳料(お食事代)はそれぞれ一日分で済むことになります。
お車代の相場が10,000円、お膳料の相場も10,000円とされていますので、それぞれの半分、合わせて10,000円程度が抑えられる計算になります。
またお通夜のお振る舞いのためのお料理の一人前の相場は、一般的に3,500円前後とされます。
仮に通夜振る舞いのために10名分のお料理が必要であったとすれば、抑えられる費用は35,000円です。
このほか、通夜振る舞いのために配膳スタッフを頼まなければならない、遠方から参列した親族の宿泊費を負担しなければならないなどの出費の可能性があります。
このように考えると、お通夜をとり行った場合と省略した場合では、やはり5〜6万円ほどの費用のちがいが出てきます。
ただ斎場の使用量、祭壇や棺の料金などは、1日のみの利用でも半額にはなりません。
お通夜をとり行うかどうかも故人の遺志やご親族の判断で決められるのは、家族葬のよいところです。
お通夜を省略すれば、費用を抑えることもできます。
しかし、おしごとが終わった夜ならば都合がつくけれど、お昼間の葬儀には参列できないというお身内もいらっしゃるかもしれません。
ただ費用を抑えることだけにとらわれず、みなさんで故人を送る気もちを大切に、お通夜についてご検討なさることをおすすめします。
通夜なしの家族葬について詳しくはこちらの記事で解説しているので、興味のある方はぜひご覧ください。
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