「家族葬の挨拶状っていつ送るべきなの?」
「家族葬の挨拶状ってどう書いたらいいのかな…」
「家族葬の場合でも香典返しに挨拶状をつけたほうがいいの?」
初めて家族葬を行う場合、挨拶状の書き方が分からなくて迷ってしまいますよね。
葬儀独特のマナーやしきたりがないか不安に思う気持ちもわかります。
ですが、ご安心ください。
今回は、家族葬を行って忌明けや四十九日、香典返しで送る挨拶状の書き方や注意点を分かりやすく解説します。
そのまま使える例文もご紹介するので、不安な方は真似して使うこともできますよ。
家族葬における葬儀後に送る挨拶状の意味合い
家族葬はごく近しい人のみでとり行われる葬儀です。
そのため、家族葬では参列していただきたい親族や近親者にのみ連絡を差し上げます。
それ以外の身内やお知り合いには葬儀後にご報告、もしくはお知らせはしても参列はご遠慮いただくようにお願いするのが一般的です。
「挨拶状」は、家族葬に呼ぶことのできなかった方達にお詫びの気持ちとともに、葬儀を無事終えることができたことを伝える意味合いで送ります。
ここでは、葬儀後にお送りするご挨拶状について考えてみましょう。
家族葬の挨拶状を送る注意点
まず、家族葬のご挨拶状をお送りする際の注意点を見ていきましょう。
挨拶状を送る時期は四十九日法要が終わった忌明け後が一般的
家族葬のご挨拶状をお送りするタイミングは、一般的に四十九日の法要終了後、もしくは納骨後とされています。
それほど近しい間柄ではなく年賀状のやり取り程度のお付き合いの方には、年末の「喪中はがき」でお知らせすることもできます。
年末にお送りする「喪中はがき」は、12月の初旬ごろまでには届くように気を配りましょう。
挨拶状を送る相手
次に、どのような方にご挨拶状をお送りすればよいのかについて考えてみましょう。
まず故人が親しかった友人や知人、故人のおしごとの関係者の方々が挙げられます。
さらに、ご遺族の職場の関係者にもお知らせが必要な場合もあります。
故人、もしくはご家族同士で年賀状のやり取りがある方々にもお知らせします。
故人やご遺族と親しい間柄の方にご挨拶状をお送りする際には、喪中はがきにこだわらず、おひとりずつお手紙をお送りするのもよいでしょう。
香典返しにも挨拶状を添える
お香典をいただいた場合、お香典返しをお送りします。
この際にも、法要を無事に終えたご報告としてご挨拶状を添えましょう。
香典返しについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、香典返しで送る品物や金額相場などを知りたい方はこちらの記事を参考してみてください。
>>「【家族葬の香典返し】相場や送る時期、挨拶状の書き方などを解説!」
初めて家族葬を行う場合、香典返しは必要なのか、送る場合はどんな品物がいいかなど迷うと思います。そこで今回は、家族葬における香典返しの金額相場や送る時期、添える挨拶状の文例などマナーや注意点を分かりやすく解説します。
切手は弔事用切手を使うのがベスト
ご挨拶状を送る際には、切手にも気を配りましょう。
喪中はがきの切手には、弔事にふさわしい絵柄の専用の切手を使用することをおすすめします。
弔事用の切手は、郵便局の窓口で手に入ります。
販売されているのははがき用の価格の切手のみですので、お手紙をお送りになる場合には、ご自分でふさわしい絵柄の切手をお選びになる必要があります。
一般の切手でもかまいませんが、その時期に販売されている切手のなかから、落ち着いた絵柄のものをお選びになるのもよいでしょう。
華やかすぎる切手やキャラクターデザインの切手をつかうことは、避けるようにしましょう。
家族葬の挨拶状を書く注意点
次に家族葬のご挨拶状を書く際の注意点を見ていきましょう。
家族葬の連絡が事後報告になってしまったお詫びを込める
ご挨拶状を受け取る方のなかには、「どうして知らせてくれなかったのか」「葬儀に参列して故人に最後のお別れがしたかった」と思いになる方がいらっしゃるかもしれません。
そのためご挨拶状では、葬儀を終えてからお知らせとご報告をすることになったお詫びをお伝えしましょう。
とくに故人と親しい間柄だった方へは、定型の言葉が印刷されたはがきをお送りするのではなく、喪主から手書きのお手紙を差し上げるとより気もちが伝わります。
家族葬を行なった理由を明記する
ご挨拶状には、家族葬でのお見送りを選んだ理由についても書き添えておくとよいでしょう。
故人の遺志であれば、その旨をきちんと伝えます。
その際は「誠に勝手ながら」などのお詫びの気もちを表す言葉を使われることをおすすめします。
手書きでも印刷でもOK
ご挨拶状は印刷されたものをお送りすることも可能です。
印刷業者では、弔事用の柄のはがきにあらかじめ準備された基本的な文例を印刷してくれます。
こちらで用意した文章を弔事用に薄墨で印刷してもらうこともできますし、文例の一部に特別な文章を盛り込んでもらうこともできます。
費用も時間も手間もかからずに仕上がるので、便利なサービスと言えるでしょう。
年末にお送りする「喪中はがき」も同様です。
書き方のマナーを守ろう
弔事に関するご挨拶状には、いくつかの書き方のマナーがあります。
印刷業者に注文なされば、そういったマナーにももちろん配慮してもらえるでしょう。
■一般的に縦書きで書かれます。
印刷の場合も同様です。
■行の始めを一文字下げることはしません。
■文中に「、」や「。」などの句読点は使いません。
■数字の表記には漢数字を用います。
■はがきの場合、差出人の住所は宛名面ではなく文章の最後に記入します。
■墨の濃さに気をつけましょう。
四十九日までにお送りするご挨拶状は、一般的に薄墨を使って書かれます。
四十九日を過ぎてからは、通常通りの濃い墨で書くようにしましょう。
これは印刷の場合も同様です。
■便箋は1枚で完結させる
通常の手紙を書く際は、文章が一枚の便箋で終わってしまった場合、白紙の便箋を重ねて二枚にしてお送りするのが正式なマナーとされています。
しかし弔事では「重ねる」ことは避けるのが決まりですので、文章は一枚でおさまるように作成し、白紙の便箋を重ねることはしません。
同様の理由で、封筒も白の一重のものを使用します。
家族葬の挨拶状例文
ここでは、家族葬をとり行った後にお送りするご挨拶状の例文を考えてみましょう。
一般的に使用可能な例文
父◯◯儀 去る◯月◯日に◯◯歳にて永眠いたしました
葬儀におきましては 誠に勝手ながら故人の遺志により◯月◯日 近親者のみにて相済ませました
早速お知らせ申し上げるべきところを
ご通知が遅れましたことをお赦しください
生前のご厚誼に感謝し謹んでご通知申し上げ
失礼ながら書中をもってお知らせ申し上げます
令和◯◯年◯月◯日
〒△△△ー△△△△
◯◯県◯◯市◯◯町
◯◯◯◯(喪主の氏名)
親族一同
夫◯◯儀 かねてより療養中でございましたが
去る◯月◯日◯◯歳にて静かに永眠いたしました
早速お知らせすべきところでございましたが
ご通知が遅れましたことを深くお詫び申し上げます
葬儀におきましては 故人の生前からの希望により
誠に勝手ながら◯月◯日 身内のみにて滞りなく相済ませました
尚 お供えや御香典につきましては
ご辞退させていただきたくお願い申し上げます
ここに謹んでご通知申し上げますとともに
故人が生前に賜りましたご厚情に深謝し御礼申し上げます
失礼ながら書中をもってお知らせ申し上げます
令和◯◯年◯月◯日
〒△△△ー△△△△
◯◯県◯◯市◯◯町
◯◯◯◯(喪主の氏名)
親族一同
故人が妻の父である場合には岳父、妻の母である場合には岳母という呼び名を用います。
香典返しに添える挨拶状の例文
次に香典返しに添えるご挨拶状の例文を挙げてみます。
香典返しのご挨拶状は、四十九日のご挨拶状を兼ねて送られるのが一般的です。
謹啓
先日の父 ◯◯ 葬儀に際しましては
ご厚志を賜り誠にありがとうございました
おかげをもちまして
◯月◯日に四十九日の法要を営むことができました
生前故人に賜りましたご厚情に深く感謝申し上げます
つきましては 供養のしるしに心ばかりの品をお送りいたします
どうぞお納めくださいますようお願い申し上げます
本来であればお目にかかり御礼申し上げるべきところですが
略儀ながら書中をもってお礼申し上げます 謹白
令和◯◯年◯月◯日
〒△△△ー△△△△
◯◯県◯◯市◯◯町
◯◯◯◯(喪主の氏名)
親族一同
拝啓
時下ますますご清栄のことと存じます
父◯◯永眠の際は 過分なお心配りをいただき
厚く御礼申し上げます
おかげをもちまして
本日四十九日の法要を相営むことができました
生前は御交誼を賜り 誠にありがとうございました
心ばかりの品を供養のしるしとしてお送りいたしますのでお納めくださいませ
まずは略儀ではございますが書中にてご挨拶申し上げます 敬具
令和◯◯年◯月◯日
〒△△△ー△△△△
◯◯県◯◯市◯◯町
◯◯◯◯(喪主の氏名)
親族一同
家族葬の全体像について詳しく知りたい方はこちらの記事で分かりやすく解説しているので、ぜひご覧になってみてください。
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