「家族葬と言われたらどうすべきなの?」
「香典は持参すべき?控えるべき?」
「どのように返信すれば良いのかな?」
家族葬は近年普及してきた葬儀形態ですが、まだまだ家族葬特有のマナーやしきたりは広まっていないのが現状です。
故人の大切な家族葬なのに、マナー違反で迷惑をかけてしまったり常識知らずな人だと思われたりするのは避けたいものですよね。
そこで今回は、家族葬と言われた際のマナーや注意点などを分かりやすく解説していきます。
参列する場合、しない場合どちらのケースでもこの記事を読めば全てのマナーが分かるので、ぜひ最後までご覧ください。
家族葬とはどんな葬儀?
一般葬と家族葬のもっとも大きな違いは、誰が参列するかという点でしょう。
一般的な葬儀は故人の家族や親族、多くの友人や勤務先の関係者が参列してとり行われます。
ご近所の方々や故人とは直接面識のないご遺族のお知り合いが参列なさる場合もあります。
故人に最後のお別れをしたいと思われた方は、基本的にどなたでも参列が可能です。
一方家族葬は、故人の家族や親族など限られた親しい人のみでとり行われます。
友人が参列なさる場合もありますが、それもごく親しい友人に限られます。
ほとんどの家族葬は20人ほどの参列者でとり行われますが、故人の遺志やご遺族の意向によっては、ご遺族2、3人のみで故人を見送るケースもあります。
また、50人以上が参列する家族葬もあります。
葬儀の規模にかかわらず、限られた親しい方のみで故人を送る葬儀が家族葬なのです。
家族葬の特徴やメリット・デメリットなどはこちらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
初めて家族葬を行う方向けに、家族葬とは何なのかから、通夜や告別式の流れ、呼ぶ参列者の範囲、費用相場、弔電や挨拶まで全てのことを分かりやすく解説します!
家族葬と言われたら参列すべき?
お知り合いが亡くなられ葬儀の形式が家族葬であった場合、参列するべきがどうか迷われる方は多いでしょう。
ここでは家族葬への参列について、どのように判断すればよいのかを考えてみます。
遺族から参列願いがあったかどうかで判断する
家族葬はどなたでも参列可能な葬儀ではありません。
あらかじめ決められた方のみが参列する葬儀です。
そのため参列していただきたい方へは、ご遺族から直接の依頼があるものとお考えになった方がよいでしょう。
親族であっても、親しいおつきあいがなかった場合には参列を依頼されないこともあります。
逆に友人であっても故人と近しい間柄であった場合は、参列をお願いされることもあるでしょう。
家族葬では、ご遺族からの依頼なしに勝手に参列することはマナー違反です。
「故人と最後のお別れがしたかったのに」「親戚なのに」とお思いになることもあるかもしれませんが、まずは家族葬でのお見送りを選んだご遺族の気もちを尊重しましょう。
親戚や義父母の家族葬の場合
すでにお話ししたように、たとえ親戚や義理の家族であっても家族葬に招かれない場合もあります。
家族葬は「親戚だから当然参列できる」「義理の父(母)の葬儀だから必ず参列しなくては」といった社会的な考え方から離れ、近しい人のみであたたかなお見送りをするための葬儀形態です。
町内や友人の家族葬の場合
ご近所の方々やご友人の家族葬への参列は、基本的に控えるべきでしょう。
一方的な判断で参列したり無理に参列をお願いしたりすれば、ご遺族の負担になってしまいます。
家族葬への近所の方や友人の関わり方についてはこれらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
家族葬を行う場合、ご近所さんには挨拶をすべきなのでしょうか?また近所の家族葬には参列した方がいいのでしょうか?今回は家族葬を行う際のご近所さんとの付き合い方について解説します。よくあるトラブルと対処法もお伝えするので、ぜひご覧ください。
家族葬に故人の友人が参列してもいいのでしょうか?そこで今回は故人の友人が家族葬に参列できる場合・できない場合それぞれのケースについて解説します。参列する場合の服装マナーや参列できない場合の弔意の示し方などもお伝えします。
社員・会社の人の家族葬の場合
家族葬では、故人やご遺族の勤務先の方々など社会的なつながりの方をお招きしないケースが多く見受けられます。
故人やご遺族の勤務先の方々が参列すれば、ご遺族は失礼のないよう対応に気を配らなくてはなりません。
そのようなわずらわしさを避けるため、お身内だけでの家族葬を選ばれるご遺族もいらっしゃいます。
会社関係の方の参列は、ご遺族からの依頼がない限り控えた方がよいでしょう。
会社の関係者の方の家族葬との関わり方についてはこちらの記事まとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
家族葬を行う場合、会社には連絡するべきなのでしょうか?香典や弔電辞退の連絡も含めて、家族葬を行うときの会社への連絡方法やマナー、文例を分かりやすく解説します。
判断に迷う場合は葬儀の情報の有無で判断する
「それでも参列したい」「参列してよいかどうか判断に迷う」という場合は、訃報連絡などを再度確認し、葬儀の情報の有無を確かめます。
葬儀の場所や日程についての詳細が記載されていない場合は、ご遺族が参列を辞退されていると考えましょう。
口頭での訃報連絡においても、葬儀の詳細が伝えられなかった場合は参列はできないものと考えるべきでしょう。
人づてにご不幸を知った場合も、参列は控えます。
多くの人が無理に参列を希望すれば、ご遺族のお気もちを乱すばかりです。
深い悲しみのなかで予期せぬ参列希望者に個別に対応することは、ご遺族の負担になってしまいます。
家族葬という葬儀形態を選ばれたご遺族のお気もちを尊重することも、故人への弔意を示すひとつの方法と言えるでしょう。
家族葬に参列すべきかどうかの判断基準についてはこちらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
家族葬に参列したいけど、参列しても良いものか判断に迷ってしまいませんか?そこで今回は家族葬に参列しても良いかの判断基準について分かりやすく解説します。参列する場合・しない場合それぞれのマナーについてもお伝えするので、参考になれば幸いです。
家族葬と言われたら香典は渡すべき?
一般葬では香典を持参するのがマナーとされています。
しかし家族葬のお香典については、ご遺族の意向を尊重することが大切です。
香典を辞退されるケースもあるので、ここでは香典を渡すべきなのか詳しく見ていきましょう。
まずは香典辞退の旨が書かれていないか確認する
ご遺族の意向を確かめるため、まずは訃報連絡や会葬案内の通知の内容を確認しましょう。
お香典や供花・お供物の辞退には、いくつかのパターンがあります。
文面によって判断が必要な場合もありますので、以下に例を挙げてみます。
◆ お香典や供花・お供物など、すべてを辞退している表現
「誠に勝手ではございますが 故人の遺志により お香典 ご供花 お供え物の儀は固く ご辞退申し上げます」
「葬儀は内々の者だけでとり行いますので ご厚志は辞退申し上げます」
◆ お香典のみを辞退している表現(供花やお供物は受け付けている)
「故人の遺志により 誠に勝手ながら お香典の気づかいは辞退させていただきます」
「お香典につきましては 故人の遺志により 固くご辞退申し上げます」
◆ お香典以外を辞退している表現(お香典は受け付けている)
「誠に勝手ながら 供花・供物の儀はご辞退申し上げます」
香典を辞退している場合は従うのがマナー
お香典を受け取るかどうかは、故人の遺志やご遺族の意向で決まります。
ご遺族がお香典を辞退する理由としては「お香典を受け取る際に応対に手間がかかること」「後日お香典返しを送らなければならないこと」などが挙げられます。
ご遺族がお香典を辞退している場合には、それに従うのがマナーです。
無理にお渡しすることは避けましょう。
親族の家族葬では香典を渡す場合もある
一般の参列者からのお香典を辞退している家族葬であっても、親族からのお香典は受け取っている場合もあります。
これには、親族がともに葬儀費用を負担するという意味合いもあるでしょう。
受付でお渡しするのではなく、ご遺族に直接お手渡しになるのが一般的です。
香典辞退か分からない場合は、念のため持参する
お香典を辞退されていることがはっきりと確認できない場合には、念のためお香典を持参されるとよいでしょう。
辞退されていた場合には、そのまま持ち帰ります。
家族葬におけるお香典の金額は、一般的な葬儀の相場と同じです。
お香典の金額相場を以下に挙げておきますので、ご参考になさってください。
- 両親が亡くなった場合 5~10万円
- 配偶者の両親が亡くなった場合 3~5万円
- 兄弟姉妹、及びその配偶者が亡くなった場合 3~5万円
- 祖父母が亡くなった場合 1~3万円
- 叔母叔父・甥姪が亡くなった場合 1~3万円
ご自身の年齢を考え、ふさわしいと思われる金額を包みます。
金額について迷われた場合には、年長のご親戚や同じ立場の参列者に尋ねてみられるとよいでしょう。
新札は用いず、故人の宗教に応じた袋や表書きで準備をしておきます。
家族葬における香典の包み方やマナーなどはこちらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
家族葬を行う場合、香典は辞退すべきなのでしょうか?今回は香典辞退の考え方や辞退する場合の連絡方法、文例を分かりやすく解説します。
香典の代わりに供物や供花を渡すこともあるが、無理には渡さない
お香典を辞退されていた場合は、お香典の代わりにお供物や供花をお送りすることもできます。
ただしご遺族がお供物や供花を辞退されていない場合に限られますので、やはり事前の確認は必要です。
お供物や供花を辞退されているにもかかわらず、無理にお送りすることは避けましょう。
家族葬で供物や供花を送る際のマナーや注意点はこちらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
家族葬でお香典を辞退された場合、代わりに何か品物を渡しても良いのでしょうか?そこで今回は、家族葬でお香典代わりに渡せる品物や渡す判断基準、マナーなどを解説します。どんなお菓子や供花が良いかもお伝えするので、ぜひご覧ください。
家族葬では供花は贈ってもいいのでしょうか?今回は家族葬における供花の意味合いや辞退について、贈る際のお花の選び方や金額相場、マナーなどを分かりやすく解説していきます。
家族葬と言われたら弔電だけを送るのもあり
一般的に、弔電にはお返しが不要と言われます。
そのためお香典などを辞退していらっしゃる家族葬でも、弔電は受け付けている場合があります。
訃報通知を確認し弔電を受け付けていらっしゃるようであれば、お送りするのもよいでしょう。
ただし訃報通知に弔電を辞退する旨が明記されている場合や葬儀の日程や会場が明記されていない場合には、弔電をお送りすることも控えるのがマナーです。
家族葬への弔電の送り方やマナーはこちらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
家族葬を行う場合、弔電は辞退するべきなのでしょうか?今回は家族葬における弔電の取り扱い方を、受け取る場合とお断りする場合どちらのケースも解説します。
家族葬と言われたらどう返信すべき?
訃報連絡や家族葬をとり行うお知らせを受け取った場合、急なことにお悔やみの言葉が浮かばず、戸惑ってしまわれることもあるでしょう。
本来、訃報連絡は電話や手紙でお送りするのが正式とされています。
しかし近年ではメールやLINEを利用する人が増え、訃報連絡のかたちも多様化しています。
メールやLINEは必要な時にすぐにメッセージを届けることができますし、受け取った相手が都合のよい時に読むこともできる便利な連絡手段です。
ここでは、メールやLINEで訃報連絡を受け取った場合の返信について考えてみます。
相手の連絡方法にあわせて返信を送ることは、基本的に失礼には当たりません。
しかしいくら手軽な連絡手段であっても、お悔やみの返信を送る際には以下のような注意が必要です。
- 親しい友人であっても、丁寧な言葉づかいを心がける
- 絵文字の使用は避ける
- 「重ね重ね」「つくづく」など、不幸が重なることを意味する重ね言葉を使わない
- 「死」「苦しみ」など、直接的な言葉を使わない
- 「死亡」「死去」など、生死に関する直接的な言葉を使わない
ただし、メールやLINEはあくまでも略式の連絡方法です。
正式な訃報連絡を手紙で受け取った場合には、同様に手紙で返信を差し上げるのが正しいマナーです。
家族葬へのお悔やみの言葉の送り方はこちらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
家族葬ではお悔やみの気持ちをどのように伝えたらいいのでしょうか?お悔やみの言葉の伝え方には手紙や電話の他に、メールやLINE(ライン)もあります。そこで今回は家族葬ならではのお悔やみの鹿谷のマナーや注意点を分かりやすく解説します。
家族葬と言われたら後日に弔問するのもおすすめ
家族葬に参列できなかった場合には、後日弔問にうかがうのもよいでしょう。
ご自宅への弔問は葬儀終了後一週間ほどが過ぎたころから、四十九日までを目安にします。
必ず事前にご連絡し、ご遺族のご都合を優先して日時を決めてうかがうのがマナーです。
お供物として、花やお菓子などを持参します。
葬儀の際にお供物を辞退されていても、後日の弔問でお持ちすることは失礼にはあたりません。
弔問の際はご遺族のお疲れや体調に配慮し、長居は控えることも大切です。
家族葬の後に弔問する際のマナーや注意点はこちらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
家族葬の後日弔問する場合、どんなマナーを守ればいいのでしょうか?今回は家族葬で弔問する際の香典や服装などのマナーについて分かりやすく解説します。また遺族向けに弔電を辞退すべきかどうかや連絡法などもお伝えします。
家族葬と言われた場合の服装マナー
家族葬に参列なさる際も、一般的な葬儀と同様の服装マナーを心がけましょう。
男性はブラックスーツが基本です。
白いシャツと黒のネクタイを身につけ、ネクタイピンやカフスボタンは使いません。
靴下・靴も黒色のものを選びます。
女性も同じく、深い黒色のワンピースやアンサンブル・スーツが基本です。
スカートの丈は膝下が望ましく、袖丈も露出を避けた長袖か五分袖のものを選びます。
ストッキング・パンプス・バッグも、すべて黒色のものでまとめます。
濃いお化粧は控え、髪もまとめておかれるとよいでしょう。
お子さんが参列なさる場合、学校の制服があれば制服の着用をおすすめします。
制服がない場合もしくは未就学児の場合は、地味な色合いでカジュアルすぎない服装で参列します。
家族葬の立場別の服装マナーや注意点はこちらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
家族葬は近しい身内だけで行う葬儀のため、服装のマナーについて悩んでしまう方が少なくありません。そこで今回は、家族葬の服装について、喪主や親族、参列者などの立場やお通夜や告別式、火葬、後日の訪問などのシーンに分けて分かりやすく解説します。
家族葬と言われたら、家族葬のマナーやしきたりを守りましょう
家族葬では、一般的な葬儀のマナーのほかに、家族葬ならではのマナーを守る必要があります。
なかでも「参列すべきかどうかの見極め方」「お香典に関する判断」は、とくに重要です。
どんな場面でも家族葬でのお見送りを選ばれたご遺族のお気もちを尊重し、家族葬のマナーやしきたりに反することのないよう心がけましょう。
家族葬の特徴や守るべきマナーはこれらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
初めて家族葬を行う方向けに、家族葬とは何なのかから、通夜や告別式の流れ、呼ぶ参列者の範囲、費用相場、弔電や挨拶まで全てのことを分かりやすく解説します!
家族葬はまだ一般に広まっておらず、正しいマナーを守れるか不安に思う方は少なくありません。そこで今回は、家族葬に参列する場合・しない場合・行う側それぞれのマナーを分かりやすく解説します。