「家族葬の割合ってどんな感じで推移しているの?」
「家族葬をする人の割合って増加してる?」
「今って家族葬と一般葬だと、どっちが多いの?」
家族葬は近年普及している葬儀形態ですが、実際にどれくらいの割合の人が行なっているのでしょうか?
今回は2015年〜2020年までのデータをもとに、家族葬の割合の推移を見ていきます。
家族葬が増加している理由や背景などと共に、今後のお葬式の移り変わりも考察しているので、ぜひ最後までご覧ください。
家族葬とはどんな葬儀?
家族葬は、10~30名程度の参列者でとり行われる小規模な葬儀です。
会社関係の方やご近所の方など多くの方にご参列いただく一般的な葬儀に比べ、ごく近しいお身内やご友人のみでとり行われる点が特徴です。
家族葬では弔問客の応対に気を配る必要がなく、故人との静かなお別れの時間を過ごすことができます。
また葬儀に関するさまざまな決まりごとにとらわれず、自由なお見送りが可能なことから、近年広まりつつある葬儀形態です。
家族葬の特徴やメリット・デメリットなどはこちらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
初めて家族葬を行う方向けに、家族葬とは何なのかから、通夜や告別式の流れ、呼ぶ参列者の範囲、費用相場、弔電や挨拶まで全てのことを分かりやすく解説します!
【家族葬の割合推移】家族葬は増加傾向
鎌倉新書が行った2020年の「お葬式に関する全国調査」では、実施された葬儀の40.9%が家族葬でした。
一方、一般葬の割合は全体の48.9%であり、一般葬と家族葬の割合には大きな差がないことが分かります。
同調査における2015年以降の一般葬と家族葬の割合の推移は、以下のとおりです。
年度 | 一般葬 | 家族葬 |
---|---|---|
2015年 | 58.9% | 31.3% |
2017年 | 52.8% | 37.9% |
2020年 | 48.9% | 40.9% |
また、2019年に発表された公正取引委員会「葬儀の取引に関する実態調査報告書」では、回答を寄せた葬儀会社のうち51.1%が家族葬は増加傾向、68.8%が一般葬は減少傾向にあるとしています。
各調査の結果から、葬儀形態の主流が一般葬から家族葬へ移行しつつあることが見てとれますね。
特に田舎よりも首都圏で家族葬の割合は増加している
首都圏に限定した場合、家族葬のはさらに増えています。
首都圏における葬儀実施件数の半数以上が家族葬であるとする調査結果も見られます。
田舎では、親戚同士が近所に暮らしている場合が多いものです。
また菩提寺も近いため、勝手に家族葬を選択することは難しいケースも見られます。
それに比べて都市部では、親戚やご近所との関係を気にする必要はなく、小規模な家族葬をとり行いやすい環境と言えるでしょう。
家族葬の割合が増え始めたのはいつから?
従来、日本における葬儀は自宅でとり行われるケースがほとんどでした。
しかし高度成長期に入り、都市部ではアパートやマンションの建設が進みます。
この住環境の変化で、自宅での葬儀は次第に難しくなってしまいました。
さらに同時期に全国で多くの葬儀社が設立され、葬儀の場は自宅から斎場や会館へと移っていきます。
多くの参列者に見送られる盛大な葬儀が好まれ、多額の葬儀費用をかけた大規模な葬儀が増加し始めたのもこのころです。
あらかじめお身内のみで密葬を済ませ、後日あらためて盛大な本葬をとり行う形態も見られるようになりました。
しかし1990年代に入ると日本の景気は転換期を迎え、葬儀の形態にも変化が訪れます。
小規模ながら静かに故人を見送る葬儀が好まれ始め、密葬ののち大規模な本葬が行われるケースは次第に減少していきました。
密葬と呼ばれていたお身内のみの葬儀には「家族葬」という名前が与えられ、新しい葬儀の形態として広まっていきます。
2000年代に入ると家族葬は都市部を中心にさらに実施件数を伸ばし、現在に至るまで増加の傾向で推移を続けています。
密葬と家族葬の詳しい違いについてはこちらの記事でまとめているので、興味のある方はぜひご覧ください。
>>「【家族葬と密葬の違い】マナーや費用相場、参列の違いなどを解説!」
家族葬と密葬はどちらも小規模な葬儀ですが、どんな違いがあるのでしょうか?今回は家族葬と密葬の違いを守るべきマナーや費用相場、参列する人などの違いから解説していきます。どんな葬儀にすべきか迷っている方は必見です。
家族葬の割合が増え始めた理由
近年家族葬でのお見送りが増加している背景には、どのような理由があるのでしょうか。
ここでは、考えられるいくつかの理由を挙げてみたいと思います。
近所付き合いが薄れたから
従来の日本では、葬儀の際には近隣住民が助け合うことが当然と考えられていました。
しかし近年ではご近所とのつながりが薄れ、地域住民同士が協力する場面も少なくなっています。
また就職や転勤などで都市部へと移動する人も増え、ますます地域における人間関係は希薄になりつつあります。
地域のつながりが失われるにつれて大人数を招く葬儀は不要となり、小規模な家族葬を選択するご遺族が増える傾向にあると考えられています。
葬儀費用を抑えるため
少子高齢化が進む現在の日本では葬儀費用の分担が難しく、葬儀の際に一人の子どもにかかる経済的負担は大きくなる一方です。
自分自身の両親の葬儀・配偶者の両親の葬儀と、一人で多くの葬儀を出さなければならない方も増えています。
一般的な葬儀では、知人や会社関係者など多くの参列者のために大きな会場や多額の飲食費用が必要になります。
お身内のみの家族葬であれば、これらの費用を抑えることが可能です。
さらに2010年ごろからは「終活」という言葉が使われ始め、元気なうちから自分自身の葬儀について考える風潮が生まれます。
子どもの世代に経済的負担をかけないために、あらかじめ小規模な家族葬を選択する方も多く、これも家族葬の割合増加の一因と言えるでしょう。
家族葬の費用相場や一般葬の費用との違いなどはこちらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
>>「【家族葬の費用相場】各社の葬式費用の比較や内訳、安くする方法を解説!」
家族葬のお葬式って実際いくらかかるのでしょうか?今回は家族葬の平均費用相場やその内訳、安くする方法を解説します。有名葬儀社10社の家族葬プラン費用も比較しているので、お住いの地域に対応している安い葬儀社も見つけることができますよ。
宗教への信仰心の薄れ
生まれ育った土地を離れ都市部で暮らす人が増えるにつれ、宗教や菩提寺とのつながりも希薄になっていきます。
また核家族化が進み、高齢者と同居する機会が減ったことも信仰心の薄れにつながります。
檀家制度やお墓の守りにとらわれず、故人らしい個性的な葬儀を望む方にとって、自由度の高い家族葬は魅力的な選択肢と言えるでしょう。
今後の家族葬の割合推移予想
少子高齢化や核家族化、都市部への人々の移動など、こうした社会的背景は今後も強まっていくと予想されます。
またご自身の葬儀について生前から考え、備える方々も増えています。
従来の伝統的な葬儀から「自分らしい・故人らしい」葬儀へという流れは、この先も加速していくでしょう。
祭壇を飾る花や葬儀の際に流す音楽、そのほかさまざまなこだわりに対応可能な家族葬は、新しい葬儀のかたちとして、ますます増加していくと考えられます。
今後主流になっていくであろう家族葬について、特徴やメリット・デメリット、参列する際のマナーなどはこれらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
初めて家族葬を行う方向けに、家族葬とは何なのかから、通夜や告別式の流れ、呼ぶ参列者の範囲、費用相場、弔電や挨拶まで全てのことを分かりやすく解説します!
家族葬はまだ一般に広まっておらず、正しいマナーを守れるか不安に思う方は少なくありません。そこで今回は、家族葬に参列する場合・しない場合・行う側それぞれのマナーを分かりやすく解説します。