「家族葬に親戚はどこまで呼ぶべき?」
「親戚は家族葬に香典を持っていくものなの?」
「家族葬を行うことで親戚とトラブルにならないかな…」
家族葬は近年広まっている葬儀形態ですが、まだまだ家族葬ならではのマナーや考え方は信用していないのが現状です。
そのため、家族葬を行うことや親戚を呼ぶ・呼ばないで考え方の違いが出てしまい、トラブルになりかねません。
故人をゆっくりと見送りたいと選んだ家族葬なのに、親戚と揉めてしまっては元も子もないですよね。
そこで今回は、家族葬を行う上で親戚を呼ぶべきかのかなど、親戚との関係性を全て分かりやすく解説していきます。
他にも香典を辞退すべきかや連絡のマナーなどもお伝えするので、ぜひ最後まで読んでトラブルのない家族葬にしていきましょう。
家族葬とはどんな葬儀?
家族葬は自由度の高いお見送りのかたちとして、近年施行数を伸ばしている葬儀形態です。
家族葬という呼び名から、小さな規模の葬儀のみを想像する方も多いでしょう。
しかし葬儀の規模や参列者の数に制限はなく、どなたに参列をお願いするかは故人の遺志やご遺族の意向で決まります。
会社関係の方やご近所の方など社会的なつながりの方には参列をご遠慮いただくケースが多いのも特徴のひとつです。
近しいお身内が集い、弔問客の対応に追われず故人とのお別れの時間を静かに過ごすことができる点が家族葬の魅力と言えるでしょう。
家族葬の特徴や行われる理由、メリット・デメリットなどはこちらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
>>「家族葬とはどんなお葬式?おすすめの理由やメリットデメリットを解説!」
初めて家族葬を行う方向けに、家族葬とは何なのかから、通夜や告別式の流れ、呼ぶ参列者の範囲、費用相場、弔電や挨拶まで全てのことを分かりやすく解説します!
家族葬に親戚は呼ばない?どこまで呼ぶ?
家族葬をとり行う際、どこまでの範囲でお声がけをするべきなのか迷ってしまうというお話をよく聞きます。
ここでは、家族葬に親戚を呼ぶべきかについて考えてみましょう。
親戚を呼ぶか明確な決まりはない
家族葬でどこまでの親族を呼ぶべきかという明確な決まりごとはありません。
どなたにご参列いただくか、故人の遺志やご遺族の判断で決めることができる点が家族葬の特徴です。
親戚を呼ぶか迷ったら呼ぶべき
めったに会わない・遠方に住んでいるなど、葬儀に呼ぶべきかどうか迷うご親戚がある場合も考えられます。
このような場合、まずは故人のお気もちを考えてみるとよいでしょう。
故人が、最期に会いたいとお思いになるかどうかを基準にします。
それでも迷ってしまった場合には、お呼びになることをおすすめします。
お呼びしなければ、後々「自分だけが呼ばれなかった」「故人と最期のお別れがしたかった」という不満の声が上がる可能性が考えられます。
また、そもそも家族葬を選んだことを理解してもらえず、葬儀をやりなおすことになってしまった例もあります。
葬儀の後も、親族のおつきあいは続きます。
葬儀に後悔を残さないためにも、迷った場合にはお呼びするとお考えになった方がよいでしょう。
義両親は呼ぶべき?
義両親をお呼びするかどうかで迷われる方もあるでしょう。
一般の葬儀であれば、義両親は当然参列するものと考えられます。
しかし家族葬では、葬儀に参列できる人数が限られる場合も多いものです。
義両親に関しては、葬儀の規模や生前の故人との関係の深さなどを考慮して判断なさることをおすすめします。
ただしこちらも、後々のことを考えてお呼びしておいた方がいいケースもありますので、注意が必要です。
家族葬に義両親を呼ぶかどうかの詳しい判断基準や連絡法などはこちらの記事でまとめているので、より深く知りたい方はぜひご覧ください。
>>「家族葬に義両親(嫁や旦那の親)は呼ぶべき?判断基準や連絡法を解説!」
家族葬に呼ぶ人数の範囲
家族葬の平均的な参列者数は、一般的に10~30人ほどとされています。
10人ほどの人数でとり行う小規模な家族葬では、故人の配偶者や子どもと親・兄弟姉妹・孫までの二親等までの親族のみが参列するのが一般的です。
10~30人ほどの参列が可能であれば、参列者の範囲は故人の叔父(伯父)叔母(伯母)・いとこ・甥・姪など、三~四親等程度にまで広がります。
30人以上が参列する家族葬であれば、さらに故人の友人や知人をお招きすることもできるでしょう。
いずれの場合もまずは故人の遺志を尊重し、柔軟に対応なさることをおすすめします。
家族葬にどこまで呼ぶかの判断基準や考え方はこちらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
>>「【家族葬の人数範囲は?】どこまで呼ぶべきか決める方法を解説!」
家族葬に呼ぶ人の範囲を決めるのは難しいものですよね。故人の遺志は尊重したいものですが、呼ぶ呼ばないで揉めるのも怖いと思います。そこで今回は、家族葬にどこまで呼ぶべきか決め方をわかりやすく解説します。
家族葬に親戚を呼ぶメリット・デメリット
次に、家族葬に親戚を呼ぶメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット
お身内を亡くされた深い悲しみのなかで、それぞれ親族への対応を考えるのは気の重いことです。
多くのご親戚にお声をかけると決めてしまえば、ご遺族はどなたを呼ぶのか個別に迷わずに済みます。
また、呼ばれなかった方から後々不満の声が上がるトラブルを回避することもできます。
さらに親族からのお香典をいただく場合には、ご遺族の金銭的負担が軽減されるというメリットもあるでしょう。
デメリット
お呼びしなかったご親族から、後々不満の声が上がる可能性は否めません。
また、お呼びしたご親族から家族葬への理解が得られない場合もあります。
とりわけ年長者からはお叱りを受けるケースも考えられます。
そのほかにも、多くの親族を呼ぶことで、家族葬本来の目的である静かなお別れの時間を過ごすことが難しくなってしまう可能性もあるでしょう。
このような家族葬に親族を呼ぶメリット・デメリットを遺族で考えて、親族を呼ぶかどうか決めることも重要ですね。
家族葬に呼ぶ親戚への連絡方法
一般的に、どなたかが危篤に陥った場合には、近しい血族や親類には連絡をします。
たとえ普段は疎遠であっても、両親・子ども・兄弟姉妹には連絡をしておく必要があります。
臨終に立ち会ってくださったご親族があれば、一度お引き取りいただき、葬儀の詳細が決まり次第ご案内を差し上げます。
遠方から駆けつけてくださったご親族は、そのまま葬儀に参列なさることもあります。
その場合は、宿泊先の手配をするなどの気づかいも大切です。
家族葬に呼ばない親戚への連絡方法
家族葬では、一般的に葬儀に参列いただく方のみにご案内を差し上げます。
故人が亡くなったことだけは知らせておかなければならないご親戚への連絡では、少し注意が必要です。
- 故人の遺志により家族葬をとり行うこと
- 参列は辞退すること
この二点をしっかりとお伝えし、理解していただかなくてはなりません。
電話での連絡でもかまいませんし、会葬辞退の案内状をお送りすることも可能です。
そのほか家族葬にお呼びしなかったご親戚へは、葬儀後に訃報と家族葬を終えたご報告のお手紙を差し上げます。
家族葬で親戚に香典は辞退すべき?
お香典は、故人を偲ぶ気もちを表す方法のひとつです。
また従来は、葬儀費用の負担を補い合う「相互扶助」の意味をもっていました。
とくに近しいご親戚はご遺族を気づかい、葬儀費用を援助するものとされていました。
現代の家族葬においてはお香典を辞退なさるご遺族も多く見られますが、年長のご親族は、ご遺族を助けたいとお考えになる場合も多いものです。
働き手を失った場合や小さなお子さんが残された場合、高額のお香典を包み「返礼不要」とされるご親族もいらっしゃいます。
このようなケースではお香典の辞退にこだわりすぎず、ありがたくお気もちを受け取ることをおすすめします。
高額なお香典返しをするよりも、葬儀後にお礼にうかがう・お礼のお手紙をお送りするなどの方法で感謝の気もちを伝えましょう。
また、お中元やお歳暮など季節のご挨拶の品をお送りするのもよいでしょう。
家族葬全体における香典辞退の考え方についてはこちらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
家族葬を行う場合、香典は辞退すべきなのでしょうか?今回は香典辞退の考え方や辞退する場合の連絡方法、文例を分かりやすく解説します。
家族葬における親戚の香典マナー
ここでは、家族葬における親戚のお香典マナーについて考えてみましょう。
一般葬と家族葬の香典の違い
家族葬は多くの場合、ごく限られた少人数の参列でとり行われます。
そのため飲食費や返礼品のための費用などが抑えられ、少ない出費で葬儀がとり行えるケースも多く見られます。
しかし一方でお香典として受け取る金額も少ないため、葬儀費用はすべてご遺族の負担になってしまう可能性もあります。
香典を辞退しているか確認する
家族葬では、ご遺族がお香典を辞退するケースがあります。
しかしご遺族がお香典を辞退する意向をはっきりと示していない限り、お香典は持参するのがマナーです。
ご遺族の意向は、まず葬儀の案内状で確認します。
葬儀の案内状にはっきりとお香典辞退の旨が明記されていた場合は、お香典を持参する必要はありません。
お香典辞退についての記載がない場合は、お香典の用意をして参列しましょう。
受付の対応を確認し、辞退していらっしゃればそのまま持ち帰ることもできます。
親戚の香典相場
ご親族が亡くなった場合のお香典は、つながりの深さから金額も高めになるのが一般的です。
参考までに、以下に平均的な金額を挙げてみます。
ケース | 香典相場 |
---|---|
両親が亡くなった場合 | 50,000~100,000円 |
祖父母が亡くなった場合 | 30,000~50,000円 |
兄弟が亡くなった場合 | 30,000~50,000円 |
その他の親戚が亡くなった場合 | 10,000~50,000円 |
お香典を出す方が若い年代であれば、少なめになる傾向があります。
年長者からのお香典では、多めの金額を包むケースも多く見られます。
家族葬で近い親戚にも香典返しをするべき?
次に、家族葬におけるお香典返しについて考えてみましょう。
半返しまで頑張る必要はない
一般的にお香典返しは「半返し」とされ、いただいた金額の3分の1~半額を目安にお返しをするのが基本です。
家族葬においても、この考え方に変わりはありません。
年長のご親戚は、ご遺族を気づかい多めの金額のお香典を包んでくださる場合があります。
多めのお香典に半返しをするのはご遺族にとっては負担が大きく、年長者の気づかいを無駄にしてしまうことにもなりかねません。
この場合は半返しにはあまりこだわらず、お気もちをありがたくいただきましょう。
感謝の気もちは、お中元やお歳暮などで折々にお伝えすることをおすすめします。
カタログギフトを送る手もあり
一般的にお香典返しの品ものとして好まれるのは、お茶などの消え物・タオルなどの日用品です。
しかしお身内からのお香典は高額であることが多く、これらの品ものでは追いつかない場合も考えられます。
そのような場合は、カタログギフトを利用なさるのもよいでしょう。
さまざまな品ものからお好きなものを選んでいただくことができますし、ご遺族もお返しの品を選ぶ苦労がありません。
お酒などの重たい品ものをお選びいただくこともでき、葬儀当日の荷物にもなりません。
香典返しをする時期
お香典返しをお送りする時期は、正式には四十九日の法要後とされています。
しかし最近では、葬儀当日にお香典返しをお渡しする当日返しが増えています。
当日返しでは、お香典の金額にかかわらず、参列者全員に同じ品ものをお渡しします。
思いがけず高額のお香典をいただいた場合には、四十九日の忌明け後に差額のお香典返しをお送りするのがマナーです。
一般的な葬儀では、2,000〜3,000円の当日返しを用意するケースがほとんどです。
ただし、ご親族のみの家族葬でお香典の金額が大きくなる可能性が高い場合には、もう少し高額な当日返しを用意しておかれるのもよいでしょう。
家族葬全体における香典返しのマナーや注意点はこちらの記事でまとめているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
初めて家族葬を行う場合、香典返しは必要なのか、送る場合はどんな品物がいいかなど迷うと思います。そこで今回は、家族葬における香典返しの金額相場や送る時期、添える挨拶状の文例などマナーや注意点を分かりやすく解説します。
家族葬で親戚とよくあるトラブルと対処法
「葬儀に参列したかった」「故人に最後のお別れができなかった」「どうして知らせてくれなかったのか」「家族葬では寂しすぎる」
家族葬において、ご親戚からこのような不満の声が上がるケースは多く見られます。
葬儀後も円滑な親戚づきあいを続けていくためにも、可能な限りトラブルは避けたいものです。
不満の声に対しては、まずご自身が家族葬をしっかりと理解し、家族葬という葬儀形態についてご親戚にきちんと説明をする必要があります。
「故人の遺志で」という理由を挙げつつ、丁寧な説明を心がけましょう。
家族葬でよくあるトラブル事例とその対処法はこちらの記事でまとめているので、家族葬を行う前にチェックしておくことをおすすめします。
家族葬はまだ多くの人に認知されておらず、親戚や近所の方とトラブルになる可能性があります。今回は家族葬にしたことで起きたトラブルや後悔した体験談を7つご紹介します。トラブルを回避するポイントもお伝えするので、参考になれば嬉しいです。
家族葬では故人の遺志を尊重して葬儀を行いましょう
家族葬は、故人の遺志やご遺族の意向でどなたにご参列いただくかを決めることができる自由な形態の葬儀と言われています。
家族葬でご親戚を呼ぶべきかどうか迷われた際には、まずは故人の遺志を尊重し、今後のおつきあいも考慮した上で慎重にお考えになるのがよいでしょう。
ご親戚の故人を悼む気もちにも十分な配慮が必要です。
後悔の残る葬儀にしないためにも、連絡や説明を丁寧になさることが大切です。
他に家族葬について押さえておきたい注意点やマナーなどはこれらの記事でまとめているので、ぜひ合わせてご覧ください。
初めて家族葬を行う方向けに、家族葬とは何なのかから、通夜や告別式の流れ、呼ぶ参列者の範囲、費用相場、弔電や挨拶まで全てのことを分かりやすく解説します!
家族葬はまだ一般に広まっておらず、正しいマナーを守れるか不安に思う方は少なくありません。そこで今回は、家族葬に参列する場合・しない場合・行う側それぞれのマナーを分かりやすく解説します。